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ヤマハ:代役参戦のガードナー、初日から着実にタイム更新「2時間走っただけにしては差は大きくない」/第9戦ドイツGP

2024年07月06日 10:00  AUTOSPORT web

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レミー・ガードナー(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)/2024MotoGP第9戦ドイツGP 初日
 7月5日、2024年MotoGP第9戦ドイツGP MotoGPクラス 初日のセッションがザクセンリンクで行われた。午後のプラクティスで、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは14番手、代役参戦のレミー・ガードナーは20番手で終えている。

 今大会は、前戦のオランダGPにおける決勝レースで1周目にクラッシュしたアレックス・リンスが欠場となっている。転倒した際に右足を骨折、右手首に重度の打撲傷も確認され、週明けの月曜日には手術も受けた。そのため、代役としてスーパーバイク世界選手権(WorldSBK)でヤマハから参戦しているレミー・ガードナーが招集された。

 今回、新たなセットアップも試しているというクアルタラロは、午前のフリー走行1回目で序盤から1分21秒台に突入させていく。残り20分を切ったあたりまではトップ10圏内につけていたが、以降は序盤にマークした1分21秒733から思うようにタイムを短縮できていなかった。それにより、トップから1.149秒差の14番手となった。

 そして、2022年以来の2年ぶりにMotoGPマシンを駆るガードナーは、FP1でファクトリー仕様のヤマハYZR-M1を初ライド。普段はWorldSBKでヤマハYZF-R1を使用しているが、まずはマシンに慣れることに時間を割いていたようだ。このセッション中はタイヤを1セットのみ使用し、FP1では最多となる26周を周回して、1分22秒969をマークした。

 午後のプラクティスでは、クアルタラロが1分21秒359、ガードナーも1分22秒326とふたり揃って早々に自己ベストを更新する。セッションは開始25分ほどで一時赤旗中断となったが、再開後にはクアルタラロが1分20秒940をマークして暫定6番手に浮上。しかし、同時に周りのライダーたちもタイムを上げ始め、トップ10圏外へ弾き出されることに。

 それでも終盤に自己ベストをさらに0.406秒縮めたが、14番手にとどまり、予選はQ1からのアタックとなる。一方のガードナーも、1分21秒405と大幅にタイムを更新させていた。終盤には13コーナーでの転倒もあったが、初日からタイムアップを成功させ、ヤマハYZR-M1にも迅速な適応を見せていた。

■ファビオ・クアルタラロ(FP1:14番手、プラクティス:14番手)
「とても風が強い日だった。これほど多くの転倒車が出たのは、それが原因だったと思う。でも気温の低さは僕たちが抱えている問題とは関係がないんだ。ここで苦戦することは初めから予想できていたけれど、思っていたのとは違う部分で悩まされている。だから難しいんだ」

「最終的にはわずか0.1秒差でQ2に届かず、非常に悔しいよ。でもここは短いコースだから、コンマ1秒はやはり大きな差だと考えるのが適切だろう。今日は他のライダーの後ろについて行って比較するチャンスもあり、これはヤマハにとって重要な情報になった。あとはポテンシャルを最大限まで引き出せるように頑張るだけだね」

■レミー・ガードナー(FP1:22番手、プラクティス:20番手)
「ミシュランタイヤとマシンに適応するのに、初めは少し手間取ってしまった。プラクティスの前にはデータを確認し、電子制御システムの調整なども行ってライディングの向上に努めたけれど、実際のところは、それほどひどい状態でもなかった。このマシンで2時間走っただけにしては差は大きくなく、決して最悪というほどではないと思っているよ。ただ最後の転倒は残念だ。あれがなければ、そして1ラップを完璧に走れていれば1分20秒9くらいまでは短縮できたかもしれない」

「あのときはコーナーで少し熱くなり過ぎ、スリップストリームでフロントをロックさせてブレーキングの早い段階で転倒してしまたんだ。予想外だった。小指が一瞬、ハンドルバーの下に挟まれて皮が剥けてしまったけれど、それ以外は大丈夫そうだよ。今回、ポイント獲得を目標にするのは少し難しいかもしれない。誰かとバトルし、いい戦いをしてレースをエンジョイできることが、最も重要だね」