イタリアとイギリスの情報筋によると、ルイス・ハミルトン(メルセデス)はMotoGPチームの買収に協力する意向があるという。大のバイクファンを自認するハミルトンは、ドゥカティのサテライトチームであるグレシーニ・レーシングMotoGPとの交渉を進めていると見られており、イタリアのチームを完全に買収し、2025年初頭から活動を開始する計画のようだ。
このうわさは、ハミルトンの親友でマネージャーのマーク・ハインズが、TTサーキット・アッセンで行われたMotoGP第8戦オランダGPのパドックで、シリーズの主催者であるドルナスポーツや、グレシーニのナディア・パドバーニ代表を含む数人のチームオーナーと会っているところを目撃されてから広がり始めた。
故ファウスト・グレシーニの妻であり代表兼チームオーナーを務めているナディアは、かつてのイタリア人ライダーが創設し長年運営してきたチームの舵取りを担ってきたが、このスポーツが大きく前進しようとしている今日、より多くの商業的経験を持つ人々に道を譲り、過去数十年間に行われた投資から利益を得る時期が来たと感じているのかもしれない。
今年4月にアナウンスされたようにMotoGPは現在、2017年の初めにF1を買収したリバティ・メディアによる買収手続きの最中にある。リバティ・メディアがF1で経験したのと同様の商業的成功をMotoGPでも再現できるという期待から、チームの価値は大きく高まっている。
F1界のビッグネームがMotoGPファミリーの一員になることは、モーターサイクル・チャンピオンシップの人気を大きく押し上げることになるだろう。そのため、リバティ・メディアがハミルトンのMotoGPチーム買収を積極的に支援するのは理にかなった行動だと言える。
F1で7回チャンピオンを獲得したハミルトンにとって、MotoGPチームに充分な予算を保証するスポンサーを見つけることは些細な問題にすぎないだろう。なぜなら、二輪の世界選手権を戦うサテライトチームの予算は、F1チームが中団で競争するために必要な予算の10パーセントにも満たないからだ。
また、ハミルトンの現在のスポンサーの一部はすでにMotoGPに関与しているため、彼の仕事はかなり早く完了する可能性すらある。
一方で、2025年のライダー市場はまもなく閉じられようとしており、ほとんどのチームが経営陣やエンジニアと長期契約を結んでいることを考えると、仮にハミルトンの買収計画がうまくいったとしても一年間はグレシーニの現経営陣が留まり、その後に2026年の初めから活動する新体制が整備される可能性がある。