ただし、NFTアート市場の方は予断を許さない状況となっている。The Art Basel & UBS Art Market Report 2023によると、2021年に急成長を遂げグローバルで2.9億米ドルの売上に達した。それ以降アート関連のNFT販売は減少、2023年には約1.2億ドルとなった(それでも2020年市場規模の60倍以上ではある)。NFT市場全体においても、アート関連の割合は2020年の67%から2023年には16%にまで減少した。
10101.artとしては設立翌年に市場規模の激減に見舞われた状況だが、同社は4月15~16日にドバイで開催された「 Blockchain Life Forum 2024」にてベストスタートアップ賞を受賞。15日夜にはモナダアートギャラリーでローンチイベントを開催、大きな節目を迎えたとした。年内のプランとしては他に、トークンを検索・購入・管理できるモバイルアプリリリース、分散型自律組織(DAO)の導入などが控えている。
アート市場の民主化目指す女性が設立、女性CEO迎える10101.artの設立者は、アート作品の所有と鑑賞・体験に革命を起こすというビジョンを抱いたIrina Garasymiv氏。ブロックチェーン技術とRWA(Real World Assets、実世界資産)のトークン化を通じて、アート作品のデジタルフラクショナル所有(部分所有)を実現。アートの所有が特定の富裕層だけでなく、一般の人々にも開かれて「民主化」されることを目指している。
※NFT:Non-Fungible Tokenの略で「非代替性トークン」の意味。日本では2021年の流行語大賞にノミネート、同年には英国「コリンズ英語辞典」の流行語大賞word of the yearで大賞を受賞した注目のワード。日本貨幣商協同組合でも、2022年4月よりNFT技術を用いたデジタル鑑定書の発行が開始されている。
参考・引用元: 10101.art公式サイト 10101.art Linkdin公式アカウント 10101.art X公式アカウント 文・Mika Ito 英国在住。元総合商社勤務、現在は在宅フリーランスとしてWebライター・業務支援等に携わる。