7月の株式市場は上がりやすい? 下がりやすい?
7月の株式市場の傾向はどのようなものなのでしょうか。まずは7月の株式市場は上がりやすいのか、下がりやすいのかを調べるため、以下のような条件で検証を行いました。
■検証対象:全銘柄
■検証期間:2000年1月1日~2024年5月31日
■1銘柄当たりの投資金額:20万円
■買い条件:6月末の営業日に寄り付きで買い
■売り条件:25日経過後の翌営業日に寄り付きで売り
6月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に損益がプラスならば7月は株価が上がりやすい月となり、反対に損益がマイナスであるならば7月は株価が下がりやすい月であるといえるのではないでしょうか。
以上のルールで行った検証の結果を、さっそく見てみましょう。
7月の株式市場の傾向:検証結果
勝率:46.35%
勝ち数:39,647回
負け数:45,898回
引き分け数:2,158回
平均損益(円):-735円
平均損益(率):-0.37%
平均利益(円):13,390円
平均利益(率):6.70%
平均損失(円):-12,970円
平均損失(率):-6.49%
合計損益(円):-64,438,835円
合計損益(率):-32,220.92%
合計利益(円):530,866,510円
合計利益(率):265,442.76%
合計損失(円):-595,305,345円
合計損失(率):-297,663.69%
PF(プロフィット・ファクター):0.892
平均保持日数:26.82日
検証結果を見てみると7月の勝率が46.35%と低く、平均損益は-0.37%となっています。この結果から7月の株式市場は、株式を購入するのに適していない月であると考えられます。
その要因として考えられるのは、6月に多くの企業の決算が出そろい、株主総会も終わるため、7月はこれといった大きなニュースが出にくい時期にあたります。そのため、株式市場は下落する傾向にあるのではないでしょうか。
7月の好調銘柄ランキング
次に、株価が下がりやすい7月の株式市場の中でも、どのような銘柄が好調なのか確認してみましょう。表は、先ほどの検証結果において、勝率が85%以上の銘柄のランキングです。ランキング上位の銘柄を見ると、
<1545>NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信
<1546>NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種(為替ヘッジなし)連動型上場投信
といった「ETF」銘柄が好調のようです。
これらの銘柄は、7月相場でも堅調に推移していることが確認できました。株価が下がりやすい要因が数多くある7月相場では、上記のような銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。
(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社および関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)
文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)
国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。
(文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー))