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名車と暮らせば~「ゴルフⅡ」との悲喜こもごも~ 第7回 明るいことはいいことだ? 1990年式ゴルフの室内照明をLED化した全軌跡

2024年07月01日 11:20  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
1990年式のフォルクスワーゲン「ゴルフⅡ」にしばらく乗っていて気になり始めたのが、夜間に点灯するメーターや空調の照明が暗いこと。メーターの色調がグリーンであることと、筆者の年齢による視力の衰え……という2つの理由があるとは思うのだが、なんとかならないのだろうか!


メーターと空調部の電球をLED化すると…



調整ダイヤルをいっぱいまで回しても、ゴルフⅡの車内はほんのり明るいという程度だ。整備をお願いしているスピニングガレージのメカニック・小磯さんに相談すると、「それでも、まだ明るい方です」とのこと。ただ、「やるとしたらLED化という手があります」との話だったので、すぐに日程を調整してスピニングガレージに駆け込んだ。



照明をLED化する作業は、造形家であり総合格闘技「ZST」初代バンタム級王者でもあるという強烈な経歴を持つ藤原敬典メカの仕事だ。写真を撮らせてもらっていると、肩から二の腕にかけての筋肉の盛り上がり方がハンパじゃない。ただものでないことがすぐにわかる。とはいえ、その仕事ぶりは「格闘家にしておくのは勿体無いほど」(笑)と言われるくらい、器用で細かいという。安心して任せられる。作業はこんな風に進んでいった。


まず、エアコンのパネルを外して内部の電球を確認すると、30年以上は交換された形跡がなく、熱で黒いカバーの一部が溶けていた。ラジオペンチやカッター、ドライバーを使って台座が壊れないよう慎重に電球をはずし、小さなLED電球に交換することができた。


メーター照明は裏側に3カ所の取り付け穴がある。使用したLEDはヘッドライト(すでにLED化済み)と同じクルーズ社製。少し前のものだと極性があって、装着しても点いたり点かなかったりするものが多かったらしいのだが、最新のものは極性がないので簡単に取り付けられるようになったという。


新型は調光ダイヤルで明るさが調整できるようになっているのもうれしいところ。小さなLED電球ひとつをとっても日進月歩のアップデートが行われているようで、「クルーズさん、ありがとう」(藤原メカ)とのことだった。



ちなみにゴルフⅡはメーター裏側のプリント回線(青色のフィルム部分)が劣化しているものが多いらしく、電球の付け外しのときにちょっと無理をすると破れたりすることがあるので要注意だ。今回の基盤はかなり状態が良いものだった。


取り付けが終わってピット内で点灯してみると違いは歴然。以前は明るいトンネル内で点灯しても点いているのかどうかわからないくらいだったのが、いまや昼間でもしっかりとわかるほどだ。LEDはグリーンの彩度が高いので、小さな文字のひとつひとつがはっきりと読み取れるし、針の位置が一瞬でわかる。これなら夜間走行が安全かつ楽になりそうだ。


もう1カ所、サイドブレーキランプも点灯しなくなっていたのだが、こちらは単純に接触が悪かったようで、ダッシュボードを叩いたら点灯しだした。その場にいた「部品博士」の異名を持つ飯岡勇メカによれば、「叩くにしても、適切なトルクで叩くことが必要です(笑)」とのこと。念のため、電球は新しいものに交換しておいたのだが、とりあえず「叩く」というのは古いクルマの定番の治し方だ。


ここまでの費用はLEDメーター球3個セット3,630円、作業料金1万7,600円、エアコンLEDパネル加工代7,040円、サイドブレーキランプ電球交換3,520円というものだった。

割れていたリアボードを自前で修理



もうひとつ、ゴルフⅡの修理の話を。



筆者のゴルフⅡは、リアボードの右側後端が「く」の字に割れていて、棚全体が右側に傾く形になっていた。すでに新品はなく、程度の良いものがなかなか見つからないということで、自力で修理することに。近所のケイヨーデイツーで購入したのは、頭部が大きな「ステントラス小ネジ(太さM6 ×長さ25mm)」4本と、長さ200mm×幅15mmの「YAHATA K3型補助金具(カチオン電着塗装の黒)」2本。費用は合計で1,200円前後だった。


割れた部分の左右が直線になるような位置にドリルで4つの穴を開け、表と裏に金具をあてがい、ネジとナットで留めるというのが修理の方法だ。これでおおむね平らにすることができた。小磯メカの評価は「なかなかガッチリとやりましたね」というものだった。


ちぎれていたボードのつりゴムもスピニングガレージで購入(サードパーティ製で880円/1本)。右側もそのうち切れるかもしれないので、予備も1本手に入れておいた。


原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)