今回は、昭和36年1月生まれの男性からの「特別支給の老齢厚生年金」についての質問です。
Q:昭和36年1月生まれの現在63歳の男性です。来年の1月に64歳になると特別支給の老齢厚生年金を受け取れますか?
「1961年(昭和36年)1月生まれの現在63歳の男性です。私の認識では、私は来年の1月に64歳になると特別支給の老齢厚生年金を受け取り始めることになると思っていますが、あっていますか?」(匿名希望)A:相談者さんの認識は正しいです。厚生年金の加入期間が1年以上ある等の受給要件を満たしていれば、64歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れます
公的老齢年金は、原則65歳からもらえますが、一定の要件を満たしていれば65歳になる前に受け取れる年金があります。これを特別支給の老齢厚生年金といいます。昭和60年に年金制度の法律改正が行われ、年金受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられました。特別支給の老齢厚生年金制度は、この年金受給開始年齢を段階的にスムーズに引き上げることを目的として設けられました。
65歳になる前の特別支給の老齢厚生年金を受け取れる人は、次の要件を満たす人です。
●男性:昭和36年4月1日以前生まれ
●女性:昭和41年4月1日以前生まれ
●老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある
●厚生年金保険等に1年以上加入していた
●生年月日に応じた受給開始年齢に達している
参考までに生年月日と性別に応じた特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢は画像の通りです。
相談者は昭和36年1月生まれの男性ですので、厚生年金の加入期間が1年以上ある等の受給要件を満たしていれば64歳になると、特別支給の老齢厚生年金が受け取れます。相談者のおっしゃる通りで、「64歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れる」という認識は正しいということになります。
誕生月の3カ月くらい前になると、日本年金機構から緑色のA4封筒で、年金を受給するための手続きに必要な書類が届きます。届いた書類に沿って請求手続きをすると、特別支給の老齢厚生年金がもらえます。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)