接客の仕事をしているとクレーマーに遭遇する率は高い。スーパーで働いている兵庫県の50代前半の女性(サービス・販売・外食)は、
「とんでもないクレーマーを目撃しました。もう従業員は奴隷か召使いのようなクレーマーでしたね」
と呆れたように打ち明けた。一体、どのような迷惑行為をされたのだろうか。(文:天音琴葉)
「あぁ!? オマエ!オレを知らんのか!?」→「ハイ……」
女性が目撃したクレーマーは二人いるようだ。まず一人目は「買い物を従業員にさせてご自身は顎で指示するだけの男性」だ。あるとき精算の際に商品やお金を投げてきたため、見かねた店長が毅然とした態度で注意したという。
店長のガタイの良い見た目も相まって、圧倒されたのだろう。クレーマーは「本部に抗議する!」と負け惜しみを吐くかのようにして逃げて行ったと。
もう一人は「自分を太客と勘違いしているクレーマー」だという。
「この男性は迷惑だと思わずバックヤードにズカズカと入り込み私たち従業員に『あの商品を持ってこい!』『あの商品は無いのか?!』品出しに忙しい中いろいろと注文するクレーマーでした」
バックヤードに乗り込んでくる時点で常軌を逸している。このときにも店長が対応したそうで、そのやりとりを見ていた女性は「大喜利か漫才かと思うほど面白かった」と振り返る。
バッヤードでイライラしていたクレーマーに、店長は「失礼します、お客様『別注』の方ですか?」と声をかけた。「別注」とは客が注文して特別に作ってもらう品のことだ。売り場に並んでいる量産品とは異なる。するとクレーマーは、「あ?今、品物出してもらってんだよ」と、とんちんかんな回答をした。別注の意味がわからなかったのだろうか。その後も二人のやりとりは続いた。
店長「『別注』の注文は受けておりませんが? 失礼しますが、名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
クレーマー「あぁ!? オマエ!オレを知らんのか!?」
店長「ハイ……」
クレーマー「オレはこの店を育てた太客だぞ!オレの顔知らんのか!?」
ここまで聞いていた女性は、
「スーパーを育てた太客って…笑いを堪えるのに必死でした」
と、そのときの心境を明かした。クレーマーが店にたくさんのお金を落としてきたことが事実だとしても、自分で言うか……とその場にいた誰もが呆れたことだろう。
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