ブラック企業には、入社した人にしかわからない闇がある。愛知県の40代前半の男性(サービス・販売・外食)はかつて、名古屋に本社がある飲食チェーンで新店舗のオープニングスタッフとして働いていた。そこでの働き方は常軌を逸するものだった。
「朝の9時から夜中の26時まで働かされて休憩は30分が2回ほど」
朝9時から深夜2時まで17時間の勤務時間で、休憩はたったの1時間とは無茶苦茶だ。しかも残業代は、驚きの理由から支払われることはなかったという。(文:天音琴葉)
17時間勤務しても8時間休憩していたことにされるシステム
この飲食店には、そもそもタイムカードがなく、パソコンで勤怠時間を管理していた。しかしそのシステムは、1日8時間という法定労働時間を超えないように設定されていた。そのため男性は、17時間にも及ぶ勤務時間のうち、実際の休憩に加えて8時間の休憩を取ったことにされていたという。
「休憩8時間は自発的に取ってると認めてサインした認識=サービス残業なのを認めたこと!と言って、サービス残業は未払い。そもそもパソコン管理で9時間以上労働の設定にすると、パソコンが更新できなくなっていて強制的にサービス残業させる」
劣悪な労働環境ゆえに退職者も後を絶たなかった。
「新入社員も3年以内に95%以上の確率で退社する! で、現場責任とか言ってさらに休みが取れない」
その結果、男性は「休みも月に多くて4回、少ないと2回」だったそう。一方でほかの中堅社員はどうだったのだろうか。すると、「社員は会社に洗脳されてるから、おかしいとは言えない」という異常な状態だったことを明かした。
「多分、社長はじめ上層部の人間は墨汁でも飲んでるんじゃない?腹の中まで真っ黒だわ」
と、嫌味を吐き捨てた男性だが、転職に成功し、現在は年収も大幅にアップしたとのこと。
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