長時間労働で給料が安い職場は、人間関係も悪化しがちだ。千葉県の50代前半の女性はかつて営業職として働いていた。給料は売り上げに応じて決まる歩合制で、稼いでいた社員もいる一方、女性の場合は「すごいお給料が安い」と不満を抱いていた。
歩合制なのだから、売り上げが悪ければ給料が安くなるのは仕方がない。それは女性もわかっていることだろう。不満の理由は給料のほかにもあったようだ。(文:天音琴葉)
コロナ禍でシステムが変わり、ついていけない社員に八つ当たりされて鬱に
仕事内容は「お客様のニーズや環境をお聞きして、その方にあった自社の商品をおすすめする」というものだった。商材は不明だが、とにかく客の都合に合わせなければならず、
「土日祝日はない感じ、要領の悪い私はほぼ休まず仕事していました」
とこぼした。
家族と休みが合わないのはつらいが、その一方で「自分で予定が組めるので、子どもの行事、病院、市役所の提出物、放課後デイ(注釈:障がいを持つ子どものための児童福祉サービス)のことなどはこなすことができました」と利点も感じていた様子。しかし結局、女性はこの職場を退職した。
「営業同士のひがみや、妬み、悪口、が酷い。またコロナで、新しいことについていけない先輩も多く、システムが変わったことについていけない先輩に教えないといけない時間が増え、自分の仕事どころじゃなくなり、仕事以外の別のことで八つ当たりされ鬱に。退職しました」
歩合制が悪いとは思わないが、同僚をライバル視するようになったり、教える時間もロスだと感じたりと、ギスギスしてくる人もいるかもしれない。いろんな職場があるのだから、合わないと思ったら転職するのも一つの手だろう。現在、女性はなんらかの仕事に就いているようで、病気から回復していることを願いたい。
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