「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」が、2025年春夏コレクションをパリファッションウィーク期間中に発表した。「日本人の精神性とテーラーのテクニックによって作られるダンディズムを提案」してきたデザイナーの大月壮士は、前回のショーで「日本の精神性」=「和」というイメージが強くなりすぎたとし、「誰も気づかなかった日本の精神性を翻訳するために『和』を使っていたはずが『和』に食われてしまった」とブランドのマインドセットのために、今シーズンからロゴを変更。日本人ならではのテーラーを作りたいという軸はブラさず、コレクションを製作していくとし、2025年春夏コレクションはバブル時代の男性に着目。「MADE IN ITALY 」のタグが付いていれば飛ぶように服が売れた、同時代の違和感を表現したという。
最新コレクションは、2024年秋冬コレクションのランウェイショーを振り返る形で製作がスタート。2025年春夏コレクションでは初志に立ち返り、和だけではない日本人の精神性を表現することを追求した。
大月は、1980~90年代にかけての「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」のスーツを収集し分析。ジョルジオ アルマーニの代表的なスーツ地である強撚のウールサージの綾目が、着物の縮緬のように見えたという勘違いをきっかけに、平織のトロピカルウールを整理前に洗い加工をかけ、織り目をクラッシュさせた新しい生地「WRINKLE WOOL」を開発した。その他のほとんどの生地も洗いをかけることでシボ感を演出したほか、ニットは和紙レーヨンコットンの糸で天竺の編み目をクラッシュさせた。これら全ての皺感には、「MADE IN ITALYを真似しようとした結果、ガラパゴスにより違った方向に行ってしまった」というストーリー性が組み込まれている。