新しい地図としても活動する俳優の草なぎ剛が26日、都内で行われた映画『ミッドナイトスワン』舞台あいさつに登壇した。2020年9月25日に公開され、毎週水曜日にTOHOシネマズ日比谷にて異例の185週というロングラン上映を記録した今作がついに最終上映を迎え、共演の服部樹咲、内田英治監督と参加した。
【写真】温かい…当時を振り返り涙した服部樹咲を優しく見守る草なぎ剛 今作は、故郷の広島を離れて東京・新宿で生きることを決断し、崩れ壊れてしまいそうな自己を自分自身で支えながら生きるトランスジェンダーの凪沙(草なぎ)と、親から愛を注がれることなく生きてきた少女・一果(服部樹咲)の姿を通して“切なくも美しい現代の愛の形”を描くラブストーリー。
当時を振り返り服部は「実はあまり覚えていない。なんとなくの雰囲気は覚えているんですけど自分のことで精いっぱいでスタッフさんの動きはみえなかったのが悔しい。大人になった今、また監督の現場に入りたいし、草なぎさんとも演技がしたいです」と再共演を熱望した。
これに草なぎは「自分に集中してた、いいんだよ。余計なものをみないで自分の役に向き合ってたんだよ。すばらしい。またお仕事したいね。違う役で。僕も樹咲ちゃんが一果を演じたから凪沙になれた」と感謝した。
さらに「あの狭い部屋で、凪沙のつらい過去にいちかが寄り添ってくる感じとか、撮影しながらも芽生えてくるものがあった」と振り返ると「凪沙の部屋でソファーに座られている草なぎさんをみていたので、凪沙でしかない草なぎさんとお芝居できたことはあの時しかできなかった」としみじみ。「あの時しかできない表現ができて、みなさんにもたくさん感動していただいて…とても幸せな経験だったね。監督ありがとう!」とぐっときた様子。
内田監督は「2人は僕にとって大切な俳優さん。いつか大切な作品でご一緒したい。樹咲ちゃんに関しては見守る、みたいな。そういう日がきたらまた一緒に仕事がしたい」と再タッグを望み「草なぎさんも『これぞ』といった作品で」と力を込めた。すると草なぎは「『これぞ』じゃなくてもいいです。『これぞ』で大したことないときもある。小出しにしていったほうがいいですよ」とノリ良くアピールして笑いを誘っていた。