1973年東京生まれのクサナギは、同地を拠点に活動。主な個展として、2011年に東京オペラシティ アートギャラリーで開催した「projectN45 クサナギ シンペイ展」や、2022年にサンフランシスコのアルトマンシーゲルギャラリー(Altman Siegel)で行った「All things must pass」などがある。そのほか、書籍の装丁画などを数多く手掛け、2013年には画文集「清澄界隈」(求龍堂)を出版した。
クサナギが同ギャラリーで個展を開催するのは、3年ぶり6度目となる。今回のテーマは、江戸初期の随筆集「慶長見聞集」(1614)の一節「いかなる鯨の寄る浦、虎ふす野辺をふみわけ、草村の露ときえんも此道也」。未開の地を切り拓くようなクサナギの心境と、これからに向けた強い志、遥かな時と場所を連想させ、荒々しくも静かな広大な自然の風景を描いた最新作の紙作品とペインティング作品を展示するという。紙作品のシリーズからは、クサナギがアトリエに通うことが困難な時期に、日記のように描きためていた作品群を公開する。