6月22日に行われた2024年FIA F2第6戦バルセロナのスプリントレース(決勝レース1)では、トラックリミット違反とその伝達の遅さに戸惑いを隠せなかった宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)。翌23日に行われたフィーチャーレース(決勝レース2)では、自らのマシンの変化に驚きを隠せなかった。
金曜日の予選で6番手を獲得した宮田だが、5番グリッドのアンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)がフォーメーションラップ開始時にストールしピットスタートとなったことで、宮田は事実上5番手スタートとなった。しかし、宮田はスタートで出遅れ7番手まで後退する。
スプリントレースよりも長距離かつ、タイヤ交換が義務付けられているフィーチャーレース。オプションタイヤ(ソフト)を履いてスタートした宮田をチームは9周目にピットインさせる。
プライムタイヤ(ハード)に交換してピットアウトした宮田だが、ピットでザク・オサリバン(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)に先行される。さらには翌周ピットインしたチームメートのゼイン・マローニ(ロダン・モータースポーツ/ザウバー育成)にも先行されるかたちとなり、さらに苦しい展開に。
ここからポイントを獲得するために、追い上げを図りたかった宮田だが、この日の宮田のマシンにはスプリントレースで見せたスピードがなく、ズルズルと後退。まさかの13位、入賞圏外でのチェッカーとなった。
「今日はいいところがなかったです。土曜日までに比べてコーナーでのグリップがなく、パフォーマンスが落ちてしまいました」と、宮田。
「ピット戦略も見直した方が良かったかもしれませんが、今日の結果はそれ以前にクルマのパフォーマンスによるものなので、なぜ日曜日に落ちてしまったのか、チームとしっかりと分析していきたいです」
自身初のル・マン24時間レースを終えて、その余韻に浸る間もなく2週連続でのレースとなった宮田。バルセロナではル・マンでの悔しさを少しは晴らすことができたと話した。
「ル・マンではクラス優勝争いしていたのに、トラブルで残念な結果に終わって、正直気持ち的には引きずったままバルセロナに来ました。ただ、ここでは表彰台争いができて少しは気持ちも晴れました。ただ、トラックリミット違反を取られてしまうという自分のツメの甘さで表彰台を逃したので、そこはしっかりと見直していきたいです」
次戦となる第7戦シュピールベルクの舞台はレッドブルリンク、宮田にとって再び未知のコースでの戦いとなる。しかし、海外のさまざまなサーキットで初めてレースを行うという生活を続けてきた宮田には、ここまで戦ってきたなかで対応力も身についてきている。
「これから、しばらくはまた初めてのコースが続きますが、いままでやってきたことを活かして頑張りたいです」
表彰台争いをした経験が、宮田の心を少しだけ落ち着かせていたように感じた。