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舞台「川越ボーイズ・シング」開幕、躍動感たっぷりのクワイアが彩る青春群像劇

2024年06月22日 22:10  コミックナタリー

コミックナタリー

「舞台『川越ボーイズ・シング』-喝采のクワイア-」より。
TVアニメ「川越ボーイズ・シング」を原作とする「舞台『川越ボーイズ・シング』-喝采のクワイア-」が、本日6月22日に開幕した。前日の6月21日にはゲネプロと囲み取材が行われ、響春男役の染谷俊之らメインキャストが意気込みを語った。

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「川越ボーイズ・シング」は2023年に放送されたオリジナルTVアニメ。ひょんなことからボーイズ・クワイア部を立ち上げることになった元天才指揮者・響春男と、部に集められた男子生徒たちが、音楽を通じて成長していくさまを描く。「舞台『川越ボーイズ・シング』-喝采のクワイア-」ではアニメをベースにオリジナル要素も交えながら、春男の視点で物語を展開。約2時間20分の上演時間のうち、前半では川越学園ボーイズ・クワイア部の部員10人が集まるまでがテンポよく描かれ、後半ではコンクールに挑む中で、それぞれの部員が自身の抱える悩みやコンプレックスと向き合っていく。

舞台での見どころはなんといっても、アニメに登場した劇中歌の数々をキャストが生で歌唱する場面。事前にミュージックビデオが公開されていた「LA LA LA」をはじめ、「On the Set」や「いつかのアイムソーリー」まで、20曲近くが披露された。いくつかの楽曲はピアニスト・細貝柊による生演奏も加わり、YUKI KANESAKAらが手がけたこだわりの楽曲を贅沢に堪能できる。今牧輝琉演じる“だんぼっち”こと出井天使らボーイズ・クワイア部員は、楽曲によってはダンスも披露。しっかりキャラクターを表現しつつも、役者自身のみずみずしいエネルギーに満ちたパフォーマンスを見せた。クライマックスで迎えるコンクールの場面では、観客も作品の中に入り込んだような感覚が味わえる。

染谷演じる春男はマイペースで高慢ながら、華やかで気品たっぷり。春男の視点から物語が展開されることで、改めて春男の抱く部員への思いも掘り下げられる。演じるうえでこだわったのはもちろん指揮のシーンとのこと。囲み取材では「初めての経験だったのでたくさん教えていただき、今もなお、がんばっているところです」と語った。また先生という役柄から生徒たちの姿をどう感じていたかと問われると、「僕、学校の先生を目指していた時期があって、大学で教職(課程)を取っていたんです」と明かし、生徒役のキャスト陣からも「ええー!」と驚きの声が上がる。「学校の先生を演じてみたいなと思っていて、今回夢が叶って。みんなががんばっている姿を見ると泣きそうになっちゃう。きっとお客さんもぐっとくる」と太鼓判を押した。

内気だが音楽への思いは人一倍持つ出井天使を演じる今牧は「メインは歌ですが、だんぼっちくんの成長物語でもある。シャイボーイからどう変わっていくかを観ていただけたら」と話す。変わり者のITをキレのいい動きで魅せた小橋快人役の横山賀三も、「小橋快人も成長していくし、みんなが音楽を通して成長していく物語」と“キャラクターの成長”が見どころの1つであると伝える。加藤将は「僕たちが進んでいく道がどうなっていくか、最後に希望を届けられる作品」とアピールした。

またキャラクターだけではなく、役者自身も今作を通して成長したと口にするキャスト陣。矢沢ひろし役の武本悠佑は「(演出の)松崎史也さんが、今まで僕自身も気づけなかったことを、この稽古期間で『もっと殻を破っていいよ』って、成長の機会を与えてくださった」と感謝を述べ、葉加瀬友を演じる高梨怜も「僕自身新しい挑戦をさせていただいて、いろいろ悩みながらやらせていただいた」と振り返った。

茨戸静男役の桜庭大翔は、「合唱、クワイアに焦点を当てた作品は少なかったと思います。観に来られる方もどのような雰囲気になるのか、ぜひ楽しみにしていただきたいです」と音楽面をアピール。足立尽役の手島章斗は自身がアーティスト活動をしていることから、「改めて音楽の起源、本来の音楽のある姿が、僕も身に沁みました」と語る。劇中歌には英詞の楽曲も多く、鈴木カーティス役のジョエル・ショウヘイが「僕が一応英語できるから皆さんにちょくちょく教えさせていただいたんですが、成長速度がすごくって」と褒めると、「ありがとうございます!」「センキュー!」と共演者たちから感謝の声が上がった。

男子高校生の青春群像劇ということで、稽古の現場もさながら男子校のようなノリだったそう。日向進役の磯野亨は「男子高校生に戻ったような感覚で稽古していたので、ありのままの僕たちの雰囲気をお届けできれば」と意気込む。双子の役ということで、磯野と息ぴったりの演技を見せた日向行役の井阪郁巳は「稽古初日から波長が合っていた」と振り返った。

だんぼっちの幼なじみであり、圧倒的な実力を持つ浦和學習院ボーイズ・クワイア部を率いる森村充。森村を演じる樫澤優太は、舞台上でも圧倒的な歌唱力でその強さを表現した。樫澤は「森村がしっかりと強い音楽を出すことによって、川越学園のキラキラした音楽も立ってくると思いますので、僕はなるべく“帝王感”を出していきたいと思います」と意気込んだ。

「舞台『川越ボーイズ・シング』-喝采のクワイア-」は6月22日から30日まで東京・シアターHで上演される。チケットはローソンチケットで販売中だ。


■ 「舞台『川越ボーイズ・シング』-喝采のクワイア-」
会場:東京都 シアターH
料金:11000円

□ 日時
2024年6月22日(土)昼の部 13:00、夜の部 18:00
2024年6月23日(日)昼の部 13:00、夜の部 18:00
2024年6月25日(火)夜の部 18:00
2024年6月26日(水)昼の部 13:00、夜の部 18:00
2024年6月27日(木)昼の部 13:00
2024年6月28日(金)昼の部 13:00、夜の部 18:00
2024年6月29日(土)昼の部 12:00、夜の部 17:00
2024年6月30日(日)昼の部 11:30、夜の部 16:30

□ スタッフ
原作:「川越ボーイズ・シング」(NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社)
演出:松崎史也
脚本:綾奈ゆにこ
舞台メインテーマ曲:YUKI KANESAKA

□ キャスト
響春男:染谷俊之
出井天使:今牧輝琉
矢沢ひろし:武本悠佑
白鳥修治:加藤将
小橋快人:横山賀三
茨戸静男:桜庭大翔
足立 尽:手島章斗
日向行:井阪郁巳
日向進:磯野亨
葉加瀬友:高梨怜
鈴木カーティス:ジョエル・ショウヘイ
森村充:樫澤優太
クワイアーズ:喜久田大和、小山麗也、竹本太朗、成海亮、細川陽平、米澤賢人
ピアノ:細貝柊

(c)舞台『川越ボーイズ・シング』製作委員会