フロム・ソフトウェアの傑作RPG『エルデンリング』の超大型DLCがとうとう配信された。追加コンテンツを楽しむための条件はモーグ、ラダーン撃破済みであることが挙げられているため、恐らくかなりの高難度なのだろう。
『エルデンリング』の発売は2022年の2月だったので、このタイミングでのDLC配信は、なかなかに時間が空いたように思える。そして発売日からプレイしていた僕としては、このDLCを楽しみにしつつも、ある問題を抱えているために準備をしなければいけない、という状況だ。そう、操作方法を失念してしまっているのだ。(文:松本ミゾレ)
おじさんゲーマーの記憶力は限界だ
僕はもうすぐ40歳になるんだけど、37、8歳ぐらいから著しい記憶力の低下に自分でも驚いている。たとえば先日、アマプラの『ジェン・ブイ』という海外ドラマを観ていたんだけど、たった数日前に観たこのドラマの主人公の名前を、最後まで覚えることができなかった。
劇中で名前を呼ばれるシーンではさすがに主人公の名だと認識できるが、それを脳が記憶してくれないというか。仕事にも支障が出てきている。キャリコネに出す先月分の請求書も忘れてて、経理さんに余計な手間を掛けさせてしまった。今まで〆切をブッチしたことはあっても、金の要求だけはきっちりできていたのに。
これがゲームの話になれば、余計に酷いことになる。『エルデンリング』にしてもそう。最後にログインしたのは1年ほど前だったが、起動してみると、お馬さんを呼ぶボタンを忘れていたり、装備している武器のコンボ派生を完全に失念していたり。
そもそも登場人物の名前と姿まで綺麗さっぱり忘れてしまっている始末。序盤の敵兵士にも倒されてしまった。こんな状況では、せっかくのDLCも宝の持ち腐れだ。
この昆虫並みの記憶力を回復するにはどうしたらいいんだろう。不安になって同世代に色々聞いてみたところ、なんかみんな大なり小なり僕みたいな事態に直面しているとのこと。
特にタレントの名前が覚えられないだとか、以前観た映画を観て、終盤で「あ、これ前に観たわ」と気付くとか、そういう事例がいくつかあった、とのことで少し安心した。ただ、ゲームの操作方法すら思い出せないようなおじさんになってしまったというのは、なかなかこう、しんどい。
据え置きゲーが長期スパンでDLCを出してくれる良い時代。定期的なリハビリは必須か
発売から時間が経ったタイミングでDLCを出すゲームというのは『エルデンリング』だけではない。去年のちょうど今頃出た『ディアブロ4』はリリース直後こそなんかイマイチ楽しめない仕様が目立ったが、現在は改修を重ねて、レベリングも苦痛ではなくなっているようだ。もっとも僕は「もう、いいや」となって放置しているし、復帰はなさそうだが。
2018年には『Fallout76』がリリースされているが、このタイトルも6月になってワールドマップ拡張という大規模アプデをDLCとして持ち出してきた。このゲームは今も半年に1回ぐらいは遊んでいるのでプレイしてみたが、発売から6年経つこの段階でフィールドが広くなり、ロケーションも増加したことにちょっと驚いた。
このように、時間をかけて新しい要素を追加してくれるタイトルが色々と増えてきたということは、1つのゲームの寿命も昔よりは長くなっているのだと言える。そんなに高い値段でもないし、これは経済的だ。作品に愛着もますます湧くので個人的にも嬉しいし助かる。
ただ、やっぱり操作方法だけは定期的に確認しておかないと、おじさんはもうダメです。
半年ぐらい放置してから、いざ再開しても、中年になった今ではろくにゲーム内の数値や立ち回りのノウハウが思い出せないもんね。
もう二度と遊ばないゲームならそれでいいけど、DLCがあるタイトルとなると、少なくとも定期的に起動して、スキルの維持を図っておかないと、せっかくの楽しい新規追加要素を満喫できない。
流石にDLCを満喫できないのは悔しいので、今月になって僕は『Fallout76』に本気でのめり込もうと決めた。そして追加のイベントも一通りこなしたが、いまだに新登場したキャラの名前をすぐ忘れてしまう。
さらに言えば追加されたフィールドの、どこに何があるかもしっかり分かっていない。で、新しいエリアのことを頭に叩き込むと、ふと「あれ? プレザントバレーってどこだったっけ」とか「ピッキングできる金庫ってどこにあったっけ」とか、昔おぼえてたはずのことがさらにうやむやになっちゃう。
あと、ゲームを2時間もすれば目が疲れて痛みを感じるようになった。高橋名人が言ってたように、ゲームは1日1時間で留めないとダメになっちゃったよ、物理的に。
『Fallout76』の操作方法やビルドいじりについては一通り脳みその配線を元通りにできた。今夜あたり『エルデンリング』を起動してみたい。いっそのことまたニューゲームでやってみようかな。