外出先でトイレに行きたくなったとき、コンビニを利用するのはもはや常識だろう。しかし、コンビニで働く人たちからは、「何も買わないでコンビニのトイレを使うのはダメだと思う」という声が出ている。コンビニに勤務する30代後半の女性(大分県/サービス・販売・外食/年収100万円)は、
「買い物もせず、入店するなり当たり前の顔をしてゴミを捨て、トイレだけを使う人が多いです。来店時にいらっしゃいませと声かけるのすらイラッとします」
と憤る。(文:福岡ちはや)
「男性トイレが渋滞中に無断で女性トイレに入る人なんて何人もいます」
女性はトイレを利用する客のマナーの悪さにうんざりしているようで、実態をこう明かす。
「男性トイレが渋滞中に無断で女性トイレに入る人なんて何人もいます。掃除中もお構いなしに入ってきます。汚すのなんて当たり前。そこらじゅうにおしっこ飛び散ってます。掃除しても汚す人が多くて追いつきません」
それに比べて、コロナ禍で一時的にトイレの貸出を止めていたときは「本当に平和」だったそうだ。女性はオーナーにトイレの使用禁止を進言したこともあるが、
「トイレを使えることで多少売上がある」
「(トイレ使用禁止にすれば)近隣コンビニに客が流れる」
という理由もあり、踏み切れないという。切実にこう訴えていた。
「トイレットペーパーもタダではありません。水道代も安くありません。(中略)ほかの仕事もあるのにトイレの監視や掃除に時間は使えません」
「いっそのこと全国でコンビニトイレ有料化にしませんか?」
「『トイレが綺麗だからほかより寄りやすい』と言われたこともあります」
コンビニ店員として働く群馬県の50代後半の女性(年収100万円)も、「10円でも入れないと鍵が開かないとかにしたらいいと思います」とコンビニのトイレ有料化に賛成する。理由は次のとおりだ。
「1日3回のトイレ清掃が基本ですが、汚れているときはさらに回数が増えます。男性が女性用を勝手に使うときも多く、防犯上いかがなものか?と何度も進言していますが、聞き入れてもらえません。(中略)地方なので下水道ではなく浄化槽。なので、年間の(下水道代の)費用も多額です。トイレットペーパーの補充も頻繁です」
女性は面と向かって「トイレが綺麗だからほかより寄りやすい」と言われたこともあるそうだ。客は褒めたつもりだろうが、言われたほうは複雑な心境になっただろう。
最後に「日本の過剰サービスが使用者のマナー低下に繋がるのなら、おもてなしの精神とは異なると思います」と持論を語った。たしかに、無料で使えるがゆえにトイレの使用マナーが悪くなっているところはあるかもしれない。