Text by CINRA編集部
舞台『PARCO presents ピナ・バウシュ「春の祭典」/「PHILIPS 836 887 DSY」ジェルメーヌ・アコニー 「オマージュ・トゥ・ジ・アンセスターズ」来日公演』が、9月11日から有楽町の東京国際フォーラム ホールCで上演される。
同公演では、日本では18年ぶりとなるピナ・バウシュ版『春の祭典』を初演の振付・演出で上演。アフリカ13か国からダンサー35人が結集する。
さらに生前ピナ・バウシュがコレオグラファーとしての最初期に創作し、自らが踊ったソロ作品 『PHILIPS 836 887 DSY』と、ピナと親交があったジェルメーヌ・アコニー振付・出演による『オマージュ・トゥ・ジ・アンセスターズ』を日本初演。『PHILIPS 836 887 DSY』にはエヴァ・パジェが出演する。
チケット一般販売は7月5日からスタート。9月9日には青山一丁目のゲーテ・インスティトゥート東京 ホールでピナ・バウシュ・ファンデーションの創設者・理事のサロモン・バウシュによるトークイベントが行なわれる。参加無料。詳細は後日発表される。
【サロモン・バウシュ(ピナ・バウシュ・ファンデーション)のコメント】
ピナ・バウシュ・ファンデーションの仕事は、ピナの作品をレガシーとして継承することにあり、「春の祭典」再上演のプロジェクトは、これまでの活動における大きな到達点となるでしょう。今回初めてピナ・バウシュ版「春の祭典」を演じるのは、古典的なダンスのトレーニングだけを受けたダンサーではなく、アフリカの伝統舞踊や、コンテンポラリーダンス、ヒップホップなど、全く異なる経験も持つダンサーたちです。アフリカン・ダンスの多くは大地との強い結びつきがあり、それはピナ・バウシュの「春の祭典」の重要な要素のひとつでもあります。
これまで、パリ・オペラ座バレエ団と、イングリッシュ・ナショナル・バレエ団が、ピナ・バウシュ版「春の祭典」を上演しています。このヨーロッパの2つの主要バレエ団とのポジティブな経験を経て、より多くのダンサーたちがピナ・バウシュの作品を学び、上演してくれることを願うようになり、そのためのより広い枠組みも描くことができないかと思うようになりました。
パリ、ロンドンでのリハーサルは、ピナ・バウシュのアンサンブルのオリジナル・ダンサーのひとり、ジョー・アン・エンディコットが指導し、続くセネガルでのリハーサルも彼女が担当してくれます。この「春の祭典」の新しいプロダクションを上演する目的は、新たなダンサーたちに振付を教え、ピナ・バウシュの作品に関する知識や経験を与えることだけではありません。作品は形式的には変更されませんが、それでもまったく異なる、まったく新しいものになることでしょう。ダンサーたちひとりひとりの個人的な創作の旅を通して、動きやリズム、感情の部分にいたるまで、作品に新たな影響を与えることを目指してきました。
長年にわたり、ピナ・バウシュ・フェローシップの受賞者たちが、エコール・デ・サーブルを訪れ、新たな知見を得るなど、ピナ・バウシュ・ファンデーションとエコール・デ・サーブルの間には、さまざまな接点がありました。そしてその度に、一緒に仕事をしたいという好奇心が生まれたのです。このように数多くの交流を経て、今回のコラボレーションに至ったことは、とても自然な結果であったと感じています。
Photo by Maarten-Vanden-Abeele ©Pina Bausch Foundation
Photo by Maarten-Vanden-Abeele ©Pina Bausch Foundation
Photo by Maarten-Vanden-Abeele ©Pina Bausch Foundation