FIAは、今週公表した国際モータースポーツ競技規則の最新版において、ドライバーがF1に出場するために必要なスーパーライセンスの対象となる最低年齢に修正を加えた。これまではデビューレースの時点で18歳以上でなければならなかったが、今後はFIAの許可を得られれば、17歳でも出場できる。
2015年にレッドブルがトロロッソ(現RB)からマックス・フェルスタッペンを史上最年少の17歳でF1デビューさせた後、FIAはスーパーライセンスの最低年齢を18歳に設定した。
国際モータースポーツ競技規則のスーパーライセンスの資格の項目においては、「ドライバーは、最初のF1競技のイベント開始時に、少なくとも18歳でなければならない」と記されている。しかし修正版においては、「FIAの独自の裁量により、シングルシーターのフォーミュラカー競技において、最近一貫して卓越した能力と成熟度を示したと判断されたドライバーには、17歳でスーパーライセンスが付与される場合がある」との文章が付け足された。
さらに、「ドライバーは、スーパーライセンスを初めて申請する際に、有効な運転免許証の保持者でなければならない」という文章が削除された。
メルセデスは17歳の育成ドライバー、アンドレア・キミ・アントネッリを、2025年にルイス・ハミルトンの後任に採用することを検討しているとみられる。
先月、FIAは、スーパーライセンスの最低年齢の変更を検討するよう要請を受けたことを認めていたが、メルセデスはそういった要請を行っていないと述べている。メルセデスにとっては、アントネッリをウイリアムズからデビューさせることも選択肢にあるといわれ、一時は、シーズン中にもローガン・サージェントの代わりにアントネッリが乗るのではないかとの推測も持ち上がっていた。アントネッリは、8月25日に18歳になるが、今回の規則修正により、その前にF1デビューすることも可能になる。
アントネッリは、2022年にはイタリアF4、2023年にはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパでタイトルを獲得、今年FIA F2に昇格した。現時点ではFIA F2ではまだ未勝利で、ランキング6位にとどまっている。