面接官から「今度、給与を決めましょう」と言われれば、ほぼ内定したと思うだろう。ところが、ワンランク上の企業への転職を目指していた50代男性(北海道/企画・マーケティング・経営・管理職/正社員・職員/年収750万円)は、面接でそう言われたのにも関わらず、後日、不採通知が届き驚愕した。
上場企業の支店長から、具体的な給与額を決めようとまで言われていた男性は目を疑い、すぐに電話で問い合わせる事にしたのだが……。(文:國伊レン)
「いやー、そうだね、すまんかったね、でも退職はまだしてないんだよねー」
電話に出たのは総務の担当者だった。そっけない態度で
「あなたは不採用と言われています」
と取り合ってもらえなかった。「内定をもらったはず」と告げても「確認します」と返事されたきり、一向に連絡がこない。1週間待って再度連絡しても
「支社長は不在で分からない、まだ、確認も出来ていない」
と埒が明かなかった。数日後、しびれを切らせた男性は、面接時に貰った名刺の電話番号から、直接支店長に問い合わせる事にした。電話を掛けると、総務がなかなか連絡を取れないはずの支店長にあっさりと繋がった。
男性の「内定をもらったはずなのに不採用の通知が来た」という訴えに対して、支店長は悪びれもせずこう答えた。
「ああ、申し訳ない、給与の話までしたよね。あの後、調べたら地方採用だと給与があまり出せないので、採用を見送ったのだが、もしかして、もう退職してしまったかな?」
呆れ返った男性は「支社長さん、そうであれば、貴社の都合なのでしかたないと思いますが、責任ある立場の人間として、その連絡位できないものですか?」と追及したものの
「いやー、そうだね、すまんかったね、でも退職はまだしてないんだよねー、よかったよかった」
などと、反省の色は見えなかった。男性は「そのまま無言でプチッと電話を切りました」と当時を振り返る。
志願者にとっては採用の可否よって人生が大きく左右される。確かに厳密にいえば面接の場で内定が出たわけではなかったが、給与を決める段階まで進めば、内定を確信しても無理はない。そこは企業側の配慮が足りなかっただろう。男性は憤りをあらわにし、
「その企業は、その後もコールセンターの展開で急成長しましたが、現在は伸び悩んでいるようです。人を大切に出来ない管理職が地方の責任者をしているようでは先は知れていますね」
と締めくくった。
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