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チャールズ国王の肖像画にアニメキャラの顔が貼られる 動物愛護活動家が抗議活動

2024年06月12日 09:20  Techinsight Japan

Techinsight Japan

先月14日、即位後初となる肖像画を披露したチャールズ国王。英国人アーティストのジョナサン・ヨー氏(左)の作品だ(『The Royal Family Instagram「It was a privilege and pleasure to have been commissioned by The Drapers’ Company to paint this portrait of His Majesty The King
チャールズ国王の肖像画が、動物愛護活動家グループによる攻撃に遭った。2人のメンバーは、ギャラリーで展示中の肖像画に英クレイアニメのキャラクターの顔を貼り付け、国王がパトロンを務める「RSPCA(英国王立動物虐待防止協会)」に対する抗議活動を行った。国王が即位後に初めて描かれた肖像画は、今年5月にバッキンガム宮殿でお披露目されたばかりだ。絵画はアクリル樹脂で保護されているため、損傷はなかったとみられている。

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現地時間11日の正午頃、英ロンドンのセント・ジェームズ地区にある「フィリップ・モールド・ギャラリー」で、動物愛護活動グループ「アニマル・ライジング」のメンバーがチャールズ国王の肖像画を攻撃した。

2人の活動家は、肖像画に描かれた国王の顔に英クレイアニメ『ウォレスとグルミット』に登場する“ウォレス”の顔を貼り付け、その下に「チーズはないよ、グルミット。RSPCAの農場の残酷さを見てみろよ!」と書いた吹き出しを貼った。

「RSPCA(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals、英国王立動物虐待防止協会)」は動物福祉を推進する英非営利団体で、1840年にヴィクトリア女王が初のパトロンに就任した。エリザベス女王は70年にわたりパトロンを務め、現在はチャールズ国王がその役目を引き継いでいる。

「アニマル・ライジング」は国王に対し、「RSPCA」が動物福祉の基準を保護するために設けた「Assured Scheme(保障計画)」を廃止するまで、同団体への支援を停止するよう求めている。

RSPCAの「Assured Scheme」とは、同団体に加盟するすべての農場が、動物の誕生から屠殺に至るまで、厳格な基準を遵守しなければならないというものだ。

国王の肖像画を攻撃したダニエル・ジュニパーさんは、「チャールズ国王は『ウォレスとグルミット』の大ファンだから、RSPCAが保証する農場の恐ろしい光景に目を向けてもらうのに、これ以上の方法はないと思った」と述べ、こう続けた。

「我々は、国王がこのことを面白がってくれることを望んでいる。そして国王が、RSPCAが推奨している農場全体のひどい苦しみと関わりたいのかどうか、真剣に考え直すよう呼びかけている。」

そして、「国王は、英国の農場における動物の苦しみに敏感であることを明らかにしている。今こそ彼が歩み寄り、RSPCAに『Assured Scheme』を中止し、畜産について真実を語るよう求める絶好の機会だ」と付け加えた。

なお国王の肖像画は、パースペクス(透明な熱可塑性アクリル樹脂)で保護されているため、絵画自体に損傷はなかったとみられる。

チャールズ国王が即位後初めて描かれた肖像画は、英国人アーティストのジョナサン・ヨー氏によるものだ。2021年6月から2023年11月にかけて制作され、今年5月14日にバッキンガム宮殿でお披露目された。


しかし肖像画全体が赤色で覆われていたことから、SNSでは「地獄にいるよう」「これまでで最悪の肖像画」と困惑する声が続出していた。



画像は『The Royal Family Instagram「It was a privilege and pleasure to have been commissioned by The Drapers’ Company to paint this portrait of His Majesty The King, the first to be unveiled since his Coronation.」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)