Text by CINRA編集部
百瀬文の個展『十年』が6月22日から雑司ヶ谷のTALION GALLERYで開催される。
百瀬文は、見ることと見られること、語ることと語られることの非対称性を映像によって自己言及的に問い直し、主体の揺らぎや不確かさを露わにするとともに、他者との交感が空転しつつも発現するコミュニケーションの多様なあり方を示す作品を制作。近年はジェンダーやセクシュアリティをめぐる問題にも明示的に取り組んでいる。
同展では、2014年6月に撮影された映像フッテージをもとに、この10年、あるいはこれからの10年の姿について問いかける場を共有。映像には群衆のなかで役務をまとった公的な身体と私的にひらかれた身体が、シュプレヒコールの声のなかで、ひとつの相貌に折り重なって映し出されるという。