何を言っても理解しない、滅茶苦茶な上司の下で働くのはしんどい。大阪府の50代前半の男性(ITエンジニア/システム開発・SE・インフラ)は、引っ越し会社の下請けの電気工事会社で働いている。引っ越しの際にエアコン、照明の取り外しや取り付け、洗濯機のセッティングなどの電気工事をするのが主な仕事のようだ。
あるとき、引っ越しの際にスタッフが客のパソコンを落として壊し、カンカンに怒った客がクレームを入れてきたという。スタッフの過失なら引っ越し会社が修理か弁償しないといけないだろう。あろうことか男性一人がそのとばっちりを食らったのだった。
「1ファイルとして紛失するな」
電気工事会社の代表取締役と部長、引っ越し会社の部長などが客先に出向いて謝罪するとともに、今後の対応を話し合い、「メーカーに出張修理させる」と決まった。上司は男性にそのことを告げると、「あとよろしく」と丸投げしてきた。
男性は、メーカーの連絡先と担当者名を尋ねるも、上司は「知らん」の一言。
「メーカーに出張修理させることに決まったと言いつつ、まずメーカーが不明」
という状況に、「嫌な予感しかしない」と男性。
結局、メーカー製パソコンではないことが判明した。県外にある店が組み立てたパソコンだったのだ。しかもその店は「出張修理を行っていない」。それを上司に言うも、
「出張修理させることに決まったのだから何としてでも(客の家に)行かせなあかん」
と、まったく聞く耳を持たなかった。一度決まったことだとしても、事情が変わったのだから客と再び話し合うしかないだろう。だが上司は、「客がカンカンに怒こっているので連絡厳禁」と言い出し、さらには
「現状何が壊れているかは不明だが1回の出張で100%修理することと、修理とは壊れる前の状態にすることで1ファイルとして紛失することなく保全すること」
という無理難題を指示したのだった。これはあまりにも無茶だ。というのも男性は、故障の原因は「ハードディスクの物理的破損」の可能性が高いと見ていた。その見立て通りなら、「1ファイルとして紛失するな」という上司の指示には応えられない。そう上司に説明するも、またしても聞く耳を持たなかった。
「警察沙汰になれば100%脅迫罪レベル」
販売店は出張修理はしないが、データをバックアップしたうえで郵送すれば修理して工場出荷時状態で返送するという。しかし上司が出張修理をさせると引かず、八方塞がりに。話が通じないどころか、上司は「罵詈雑言でキレまくる」という始末で、「警察沙汰になれば100%脅迫罪レベル」だったそう。
そんな上司もようやく販売したショップが出張しないと理解したようだが、このあとあり得ない指示をしてきたのだった。
「『モニターのメーカーに、壊れていないモニターを壊れたと嘘をついてでも出張させろ』と言い出す。上司の理屈では嘘をついてでも出張に行かせて、ついでにパソコン修理をやらせたらいいという、押し売りレベルの強要をさせようとする」
男性は絶句しただろう。結局、どのように事態を収束させたのか投稿には書かれていないが、こう結んだ。
「代表取締役本人はメーカー出張修理で『客先トラブルをおさめた』という自己評価。私への評価は上司が指示したメーカーに出張手配ができない使えないやつという評価(笑)。 温厚な私でも、さすがにキレそうになった」
男性は「あなたが目撃した衝撃クレーマー」という題目のアンケートに投稿を寄せたが、「衝撃クレーマー」は客ではなく上司だったというオチだ。モンスター上司のもとで働いている男性に同情を禁じ得ない。