「『ぼっち・ざ・ろっく!』ロック舞台挨拶」の様子。左から青山吉能、鈴代紗弓、水野朔、長谷川育美。 はまじあき原作による「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:/Re:Re:」前編の公開を記念した「『ぼっち・ざ・ろっく!』ロック舞台挨拶」が本日6月9日のロックの日にちなんで東京・新宿バルト9にて開催された。上映前の舞台挨拶にはぼっちちゃんこと後藤ひとり役・青山吉能、伊地知虹夏役・鈴代紗弓、山田リョウ役・水野朔、喜多郁代役・長谷川育美が登壇した。
【画像】「『ぼっち・ざ・ろっく!』ロック舞台挨拶」の様子 6月7日に公開された「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:/Re:Re:」前編。ネタバレなしで見どころを紹介してほしいと言われた鈴代は難しそうに唸りながら「一番最初の始まり方です」と話し、劇場総集編の始まり方をいろいろと想像していたが全部はずれたことを明かす。そして「自分自身も何回も聞いたはずのセリフだったり、観たはずのシーンだったりするものが本当に初めて観たような感覚ですっと胸の中に入ってくる」と新鮮な気持ちで観られる作品であることを伝えた。
結束バンドの新曲となるオープニングテーマ「月並みに輝け」について聞かれた長谷川は、作詞を担当した樋口愛のコメントを紹介。「自分のことを天才だって思ってたこと、ありますか? そして天才じゃなかったんだって思ったこと、ありますか? でもその瞬間に、夢が現実に変わる気がするんです。きっとそこが、スタートラインだと思うんです」という言葉が胸に響いたのだと言う。「挫折をしたときからその後、そこを起点に自分に自信が持てないまま来ている感覚があって。でも樋口さんのコメントを見たときに『あそこがスタート地点だったんだ』と」という気付きを語る。水野も「変われなくても 代わりはいないから」という歌詞に「救われますね」と続けた。また長谷川はエンディングテーマ「今、僕、アンダーグラウンドから」の落ちサビがギターのみの演奏になることについて触れ「あの音によって、ぼっちが押し入れの中に1人でいるときの情景が浮かんできて」と音作りのすごみを熱弁した。
6月7日に公開されたYouTubeチャンネル・THE FIRST TAKEへの結束バンドの出演について話が及ぶと、会場からは大きな拍手が送られる。青山は「ギターと孤独と蒼い惑星」は劇中でも緊張感のあるシーンで歌われる楽曲であると言い、緊張感のあるTHE FIRST TAKEの動画は「リアルの結束バンドとしての活動と、アニメ、マンガの結束バンドとしての活動が交差する瞬間みたいなものを見届けられて、生きててよかった」と絶賛。長谷川も収録現場の緊張感を語りつつ「ひとりちゃんの歌詞を絶対届けたいっていうことを頭の中でグルグルと思いながら、とにかく叫ぶように届けさせてもらった。1回だからあの歌唱が出た」と振り返った。
ツアー「ZEPP TOUR 2024 “We will”」の実施や「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024」への出演決定など、結束バンドの活躍については青山が「私たちもがんばって付いていかないと」と意気込みを見せる。「下北沢STARRYからやってきた結束バンドということは変わらないので、その気持ちを込めてZEPPツアーも、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024』というでっかい舞台でも『ぼっち・ざ・ろっく!』の音楽をたくさんの方に届けられたらいいな」と観客に視線を送った。
アニメーションを制作するスタッフを思う青山は、大きく手を広げ「これくらいアニメ(の制作工程)があったら、声優がやれることってこれくらいしかなくて」と指で小さな隙間を作る。制作スタッフの熱量を「皆さん誰1人とっても、熱いものを持ちながら制作してくださるからこそ、ここまで辿り着くことができました」と称え、「私たち声優陣もここ(小さく隙間を作った指を掲げ)に信じられないくらいの熱量を持ってお芝居をぶつけさせていただいている」と自身が持つ情熱も伝える。そして「みんな一緒に(制作スタッフに)ありがとうと言おう」と呼びかけ「CloverWorks、斎藤圭一郎、そのほかのすべてのスタッフの皆様、せーのっ」と言う青山の声に続き、観客全員が「ありがとー!」と声を上げた。
和気藹々としたトークが展開する舞台挨拶も終了時刻に近付き、最後の挨拶へ。劇場のスクリーンを「クソデカスクリーン」と呼んだ長谷川が、キャスト陣から「口が悪いー!」と注意され「とっても大きなスクリーン」と言い直すと笑いが起こる。しかしその後改まり、劇場に足を運ぶという映画鑑賞を「それがすっごい特別なことのように思えるというか、ありがたい」と感謝のこもった眼差しを客席へ向けた。水野は劇場総集編の公開を喜びつつ「とっても大きな音響で浴びる『ぼっち・ざ・ろっく!』は本当にすばらしい」とアピール。劇場総集編が制作、公開されたことを「すべて応援してくださる皆様のおかげ」と言う鈴代は、来場者に感謝の気持ちを述べる。そして「自分の熱い気持ちはすべて本編に詰め込みました」と劇場総集編への期待を煽った。
トリを務める青山が「皆様の愛のおかげで、こうやってまたクソデカスクリーンで(『ぼっち・ざ・ろっく!』が)味わえるなんて、こんな幸せなことねえよ!」とアクセサリーを投げ捨てるロックなパフォーマンスを見せると会場には笑い声が響く。最後に「ぼっち・ざ・ろっく!」が自身にとって「人生を変えてくれた作品」であると愛おしそうに言い、「皆さんの人生の中で、かけがえのない作品になれたら本当にうれしいです」と舞台挨拶を締め括った。
「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:/Re:Re:」はTVアニメを再編集して結束バンドの物語を届ける総集編。後編は8月9日に公開される。
(c)はまじあき/芳文社・アニプレックス