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『マッドマックス:フュリオサ』“警護隊長ジャック”を徹底考察「フュリオサが戦士になるための唯一の鍵」

2024年06月09日 11:01  cinemacafe.net

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『マッドマックス:フュリオサ』
アニャ・テイラー=ジョイが最強の戦士フュリオサの原点を演じる『マッドマックス:フュリオサ』。アニャやクリス・ヘムズワースの熱演に多くの絶賛の声が集まるなか、公開後1週間が経ったSNSではトム・バークが演じた“警護隊長ジャック”についての話題が沸騰。今回は、そんな新キャラクター“ジャック”について、驚きの裏話や監督、キャストのコメントから徹底解剖する。

SNSには「フュリオサで話題中の新キャラ、ジャックかっこいいよね!」「観る前までは完全にノーマークだった寡黙な男ジャックが!めちゃくちゃカッコ良かった件」と、今回初登場の新しいキャラクターながらも、魅了されているファンが多数。

さらに、「マックスに通ずるレガシーを感じた」「『怒りのデス・ロード』ラストのフュリオサ視点から見たマックス、めちゃくちゃ師匠ジャック重ねてたんですね……」「フュリオサが唯一信じて信頼したジャック、そして数年後に突然現れ自分を救ってくれたマックス、やっぱりフュリオサはジャックとマックスを重ね合わせてたのかもって思うと胸熱すぎる」と、『フュリオサ』のジャックの存在が『怒りのデス・ロード』の物語にさらに深みを増すような演出が感動を呼んでいる。


■フュリオサが故郷へ戻るためのキーパーソン
本作のジャックは、『怒りのデス・ロード』のフュリオサのように大隊長と警護隊長を務め、イモータン・ジョーが治める荒れはてた地の支配階層の上位にいる人物。フュリオサが故郷へ戻るための決意に協力することになる重要なキーパーソンでもある。

そんなジャックについてジョージ・ミラー監督は、「彼自身が物語のなかで指摘するように、ジャックはかなり古典的な戦士なんです。熟練した戦士であると同時に、イモータン・ジョーに仕え、警護隊長としてこの車両を運転するロードウォーリアーであることがこの世界で生き延びるための手段でした」と語る。

「彼はほかの戦士たちと同じく、両親がともに戦士でした。彼の両親は世界の崩落を目の当たりにしながらも、戦うことへの正義の信念、そして高潔な信念を探し続けていたが、見つけ出すことはできませんでした。警護隊長ジャックもそうした信念を探すも、見つけられないことが彼自身のジレンマでもあります。ジャックはフュリオサが戦士になるための唯一の鍵となるだけでなく、大人になった彼女が大隊長フュリオサとなり、いずれは警護隊長になるための鍵となるのです」と、『怒りのデス・ロード』に繋がるキャラクターとしてジャックが重要な人物であることに触れる。

■フュリオサが自分自身と同じく信頼できる唯一の人物
また、クリス演じるディメンタス将軍に全てを奪われたフュリオサは、“復讐”を誓い修羅の道に進んでいく。幼い頃に母や故郷を失ったフュリオサは、孤独にただ復讐を果たす目的のために人生を捧げるが、そんな彼女を導き師匠の役目を果たしていくのがジャックだ。

「ジャックとの出会いから、彼女は彼に完全に気を許すようになっていきます。それは、ジャックが親切で、荒れはてた地のすべてに背くためのチャンスを与えてくれる存在だから。そして彼女の階級は上がっていきます。警護隊長に昇格したフュリオサは、これまでの長いサバイバルのなかでいちばん心地いいと感じていたと思います」とアニャ。

「彼女は目的を果たすうえで、心から信頼できる人物に対しては深い愛情と尊敬を抱きます。ジャックは彼女が自分自身と同じく信頼できる唯一の人物なんです」と、フュリオサの物語にジャックが欠かせない人物であったと話す。

さらにアニャは、フュリオサとジャックの深い関係についてこう続ける。「ジャックが傍で見守って気にかけてくれることを彼女は知っていたし、彼女ひとりよりも彼とのチームのほうがうまくいくとわかっていました。ここはとても面白い場面ですね。彼女は彼と残ったほうが良いのではと、観客は誰しも心のどこかで思うはず。でも彼女は、緑の地に戻って母親の願いを叶えるという唯一の生きがいをどうして忘れることができるでしょうか? 約束、誓いはなんだったのでしょう? 自分のスキルを認識しながらも、年頃の女性として、守られていることに心地良さを感じてしまう彼女が垣間見える、とても興味深い場面です」と、孤独に生きてきたフュリオサの成長過程の物語ならではの揺れ動く心について触れる。

■「彼にはなんとなくマックスの面影が」
そして、ジャックを演じたトム・バークは、「ジャックの生涯のすべては荒れ果てた世界のなかにあり、砦と弾薬畑(バレット・ファーム)とガスタウンの3地点を巡る終わりのない旅なんです」と語り、「彼にはなんとなくマックスの面影があります。彼は内面ではアウトサイダーのように私には見えました」と、マックスとの共通点を話す。

さらにトムは、「ジャックがフュリオサと協定を結んだ際、彼女が“緑の地”を目指すことを彼は蜃気楼だと言っていました。そして彼は言うんです。『数年後、僕たちは蜃気楼を追いかけるための自由を得る』と。彼らの関係のなかで、ジャックはフュリオサが目指そうとしている場所について確信をもち始めます。そして彼も彼女がその目標を達成することを願うんです。でもそのうち、ただフュリオサといたいと、それだけが願いになります」と、劇中でのジャックの心の移り変わりについて言及。

荒々しいアクションシーンや、ド派手なカーチェイスの裏側には、フュリオサとジャックの繊細なヒューマンドラマも垣間見える。

さらにトムは、『フュリオサ』をもっと楽しむことができる驚きの裏話を明かす。「警護隊長のジャックの両親は軍人で、イモータン・ジョーになる前の、ジョー・ムーア大佐に仕えていた。だからジャックはある意味息子のようなものなんだよ」とトム。『怒りのデス・ロード』でも悪逆非道なヴィランであったイモータンの背景を深堀するような衝撃の設定を明かした。

新しいキャラクターのジャックは、物語の幹に繋がる部分をしっかりと担いながらも、前作『怒りのデス・ロード』をもさらに輝かせるための重要な役どころを担う。フュリオサの“修羅の道”に寄り添い導くジャックは、寡黙だが観客の心を掴んで離さない。2人の共闘シーンも見応えたっぷりとなっている。

『マッドマックス:フュリオサ』は全国にて公開中。

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(シネマカフェ編集部)