「化学物質過敏症」という言葉をご存知だろうか。柔軟剤の香りなど空気中に漂う化学物質を吸い込むことで様々な体調不良を引き起こす病気だ。「職場の理不尽すぎるエピソード」を語る神奈川県の40代女性(事務・管理/年収500万円)も、この症状に悩まされている。
「香水や柔軟剤、においの強いハンドクリームやボディークリーム、シャンプーのにおいで頭痛や充血、のどの痛みや声がれが生じる」
こうした体質を人事に伝え、「化学物質アレルギーである診断書も提出してあった」と語る。一定の配慮を求めた形だが、人事はあまりピンと来ていなかったようで……。
「取引先の担当者からも『あの人においすごいよね』という発言があった」
その後入社してきたのは、きつい匂いをさせる人ばかりだったという。
「ヘアコロン、香水、柔軟剤、一日に5回以上もにおいのきついハンドクリームを塗る女性ばかり。(人事は) 入社の際に『においが苦手な人がいる』ということも伝えず。仕方ないので私が本人に『アレルギーがあるので控えるよう』にお願いしても、嫌がらせかの如く匂いが増すばかり」
女性だけが過敏に反応しているわけでもないようで、第三者も不快感を覚えるほどだった。
「来訪した取引先の担当者からも『あの人においすごいよね』という発言があったので、私が過敏に反応していたわけではないと思う」
それでも控えてくれない理由は、本人と上司によれば「帰国子女だから」とのことだった。女性はこれに「幼稚園の頃まで数年海外にいたダケなのに」と苛立ちを隠せない。
「仕方がないので席を離れたり、小型の扇風機で風を送ったり、マスクをしたりしても、職場は狭いワンフロアなので部屋中ににおいが充満。トイレもり然り」
職場がどこまでも居辛い環境になってしまった女性は、上長との面談の際にその旨を伝えたが……。
「気のせいじゃない?気にしすぎだよ。口で息をすればいいじゃない」
と言われてしまう。女性は当時の怒りを次のように吐きだしてる。
「物質によるアレルギーなので、鼻で息をしないで口で息をすればよいというものではない。 口で息をすれば、のどの奥が腫れ、声がかれる。鼻の奥も痛くなる。涙も止まらない。声が出ない状態なのに『なんで電話に出ないの?声が出ない?甘えじゃない?』とのたまう」
アレルギー疾患を「甘え」と批判されては立つ瀬がないだろう。ついに「そんな会社で身を粉にするのもばからしくなったので退職」と、結局女性の方が職場を去ることになった。
「退職の際にその人物の“におい“が原因である旨伝えるも、『その人自身が苦手で逃げる』と解釈されて、もうどうでもいいや」
こう諦めを語る女性は「現在、有休消化中で頭痛ものどの腫れも声がれもなくなった」と体調は回復している模様。しかしストレスのせいか無気力になってしまい、「転職活動が遅々として進まず」「その人のせいで、その会社自体が大嫌いになった」と書いており、苦しみはまだ続いている様子だ。
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