「虫籠のカガステル」などで知られる橋本花鳥の新連載「ルキオラと魔境の商館員」が、本日6月4日にマガジンポケットでスタートした。
【大きな画像をもっと見る】人間と魔物が争い奪い合う場所“魔境”。勇者のルキオラ・ルナトリアは、戦いの先に平和があると信じ魔物を倒し続けていた。そんなとき、魔境で珍しいものを買い付け金に変える、大魔境貿易の商館員ビルキス・ドラコと出会う。ひょんなことからビルキスに借金をしてしまったルキオラは、彼が魔物と商談する姿を目にして驚くが……。魔物と戦って来た勇者のルキオラが、商館員となって魔境を平和にしていく物語だ。
■ 橋本花鳥コメント
『ルキオラと魔境の商館員』は勇者として魔物と戦って来た少女が、武器を置き、貿易会社で働く「商館員」となり魔物と商談しながら自分たちの生きる「魔境」を平和にしようと奮闘する漫画です。
私、橋本花鳥は子供の頃、「東インド会社」という存在に憧れました。
東インド会社とは17世紀ごろにヨーロッパ各国がアジア圏に商船を送り、商館を建て、
現地の品や自分たちの品を銀などでやり取りした商人組織です。(国ごとに形態や成り立ちは違います)
その歴史的な背景も最終的な形も知らず、ただ「異文化と交流し商売しながら世界を旅する冒険譚」くらいの認識で憧れました。
けど大人になってよく調べれば、それは植民地支配と戦争を避けては語れない、
重く苦しい、とても「冒険少年漫画」として明るく軽く、
希望を見せながら描いていいものではありませんでした。
(まじめに重く史実と向き合う青年漫画としてなら面白そうですが)
本作の主人公ルキオラは「貿易で魔境を平和にできる」と信じています。
しかし作者の私はその歴史的な結末を知っています
彼女には真摯に少年漫画の主人公として困難に向かい、
私が子供の頃に憧れた「貿易冒険譚」を実現してほしいと願っています
そして大人になって「貿易で仲良くなんてそりゃ夢物語か」とがっかりして
世を知ったような気になっている私に「そんな事はない」と言い返して欲しいのです。
私が考えを改めることができたら彼女の勝ちです!
以上が作品自体にかける私の想いです
それから「週刊連載」というものをやってみたかったので
今回、マガポケさんで連載いただけることとても嬉しく思っています。
若さで無茶して乗り切れる年齢じゃないので大人の計算高さできちんと準備して、
クールに制作していきたいと思っています!
…予定通りに結末まで進行できた経験はありませんけど…
作品の見てほしい所としては
「勇者をやめた女の子の新社会人成長サクセスストーリー」と
「魔物や仲間たちとの交流」です。
私は日本アニメーションの「世界名作劇場シリーズ」が好きなので
ルキオラと魔境の商館員はかのシリーズと同じように、
異世界へのあこがれと出会いと成長を、読んだ方にお贈りできると良いなと願っています。