毒親の呪縛から逃れられず長年苦しむ女性は多い。毒親が亡くなったとしても忘れるのは難しいようだ。大阪府の50代後半の女性(事務・管理/年収150万円)もその一人。かつて初産のとき、母親に衝撃的な発言をされた。陣痛が始まるなか、母親にこんなことを言われたのだ。
「今日、楽しみにしてたお店のバーゲンやねん。行ってくるわ」
初産でただでさえ不安なのに、夫は海外に赴任中で、唯一頼れる母親はバーゲンへ。そして母は戻ってくるなり、さらに追い討ちをかけてきたのだった。(文:長田コウ)
「お葬式の時は涙は一滴も出ませんでした」
陣痛室で一人だったときの心境を女性はこう振り返った。
「他の妊婦さんには旦那さんが付き添ってくれているのを見て羨ましかったです。私はトイレに行く時もフラフラしながら一人で行ってました」
母親はバーゲンから戻ってきたものの……
「微弱陣痛で出産まで至ってなかったのですがいよいよ陣痛がきつくなってきた時、お腹の張り具合を数値化する機械を見て『今、痛いやろ?痛いやろ?』を陣痛のピークがくるたびに言われました」
こんなふうに煽られたらうざいし、意識して痛みも増しそうだ。「黙って!」と言いたかったが、そんな気力もなかったという。母親にされたことを今でも忘れられないようで、次のように書いていた。
「出産経験のあるしかも、実母からのこれらの言動は忘れることもできません」
女性には出産前に流産の経験があり、そのときにも母親からの心ない言葉を浴びせられた。夜間に出血し、携帯電話がなく夫に連絡がつかなかったため、母親に「今から病院に行く」と電話した。すると……。
「開口1番に言われた言葉は『(病院に)行かなくてもいいやろ?』でした」
なんで母親がそんな言い方をしたのかは不明だ。ただ、心の傷は、未だに癒えないようだ。
「他にも色々と同様のことがあり実母にはかなり傷つけられました。お葬式の時は涙は一滴も出ませんでした」
このような投稿をしてくるということは、亡くなってもなお、母親にされたことを引きずっているのだろう。
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