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旧型FK8シビックRが完勝。パルディーニ・レーシングのカローラGRS艦隊も1-2達成/TCR南米第2戦

2024年06月03日 11:50  AUTOSPORT web

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ファビアン・シャナントゥオーニとファン-アンヘル・ロッソ(Paladini Racing)のトヨタ・カローラGRS TCR艦隊が、R2リバースグリッドの好機も活かしてワン・ツー・フィニッシュ
 開幕戦の“変則耐久フォーマット”から、通常の2ヒート制スプリントに回帰した2024年TCRサウスアメリカ・シリーズ第2戦は、すでに旧モデルとなったFK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRに乗るロドリゴ・バプティスタ(スクアドラ・マルティーノ)が、予選ポールポジションからの“ライト・トゥ・フラッグ”でオープニングヒートを制覇。続くレース2では、ファビアン・シャナントゥオーニとファン-アンヘル・ロッソ(パルディーニ・レーシング)のトヨタ・カローラGRS TCR艦隊が、リバースグリッドの好機も活かしてワン・ツー・フィニッシュを飾っている。

 開幕戦インテルラゴス同様に今回もTCRブラジル併催となったアウトドローモ・カスカバルには、この第2戦に向け隣国アルゼンチンから大物ゲストが参戦。南米大陸で“最高峰のテクニカルシリーズ”と称するFFツーリングカー選手権、TC2000で3冠を誇る王者リオネル・ペーニャが、ルノー・フルーエンスGTからプジョー308にスイッチしてTCR初挑戦を果たす。

「開始以来注目していたTCRサウスアメリカに参戦できて本当に光栄だ」と、このオフの期間にブエノスアイレスでPMOレーシングのプジョー308 TCRをテストしていたペーニャ。

「テスト中に、このプジョーにはとても良い感触を得た。それに同じクルマで世界中のどこでもレースができるTCRのコンセプトが大好きなんだ。この南米大陸を舞台にその全域でレースをすることは、もうひとつの大きなモチベーションになるね」と、かつて2010年にはWTCC世界ツーリングカー選手権への参戦歴も持つTC2000王者は、残るシーズンへのフル参戦を予定する。

 そんなライバルの登場に奮起したのが、こちらも今季よりTC2000復帰も果たした同郷のマティアス・ロッシ(トヨタ・チーム・アルゼンティーナ/トヨタ・カローラGRS TCR)で、長らく自身が開発に参画してきたモデルで初の予選Q1最速を奪ってみせる。

 しかし16台中上位12名が進出したQ2では、路面のラバーインが進みながらもタイム更新が難しい状況が続くなか、ホンダのバプティスタが昨季のTCRブラジル王者であるガリッド・オスマン(W2プロGP/クプラ・レオンVZ TCR)とロッシのカローラを0.298秒差で抑え、まずは最前列グリッドを獲得した。

■ペーニャがTCR初参戦で初表彰台

 迎えた日曜現地11時開始のレース1では、オープニングラップから複数の波乱が発生。ロッソと4番手争いを展開した開幕勝者ラファエル・レイス(W2プロGP/クプラ・レオンVZ TCR)は、濃紺のカローラをターン1のグラスエリアに追い出す格好となり、この動きにより5秒加算ペナルティを背負いながらの勝負に。

 さらにオープニングのダウンヒル・セクションでは3番手スタートのロッシが前方のオスマンに挑んだが、ここでのオーバーテイクは叶わず。その後はペースに翳りが見え、18周目には先を急ぐレイスにもパッシングを許してしまう。

 そして実質の3番手争いとなったペーニャとペドロ・カルドソ(PMOレーシング/プジョー308 TCR)の僚友対決は、初参戦のベテランが接触から急な上り坂のセクションで弾き出され終戦。最終的に背後のバトルに乗じて逃げたバプティスタが快適なポール・トゥ・ウインを飾り、2位にオスマン、そしてペナルティで後退したレイスに代わりプジョーのカルドソが最後の表彰台を獲得する結果となった。

 このヒートで8位となり、続くレース2のリバースポールを確保したシャナントゥオーニは、視界良好のポジションを活かして盤石のスタートを決めると、このレースでも周囲のバトルが先頭走者の逃げを助ける展開に。

 まず隣のフロントロウに並んだマルコス・レガダス(PMOフルタイム・スポーツ/リンク&コー03 TCR)が蹴り出しで遅れ、背後から並びかけた僚友ペーニャとカルドソに絡み、ここでTC2000王者を除く2台が遅れることに。その恩恵を受けたのがトヨタ勢で、2番手となったパルディーニのロッソと3番手ペーニャのプジョーを挟み、TTAのロッシがその背後へと進出していく。

 そのレガダスは7周目の最終コーナーワイドラン以降もトラブルメーカーの役割を強いられ、これが起因となってオスマンとレイスのクプラ陣営と、カルドソのプジョーがクラッシュ。これがセーフティカー出動の引き金となる。

 12周目のリスタート以降、前方のパルディーニ艦隊を突き崩そうとしたペーニャだったが、最後までパッシングの機会は訪れず。そのまま24周のチェッカーフラッグを迎え、今季初優勝のシャナントゥオーニとロッソがワン・ツーでレースを制圧。3位にTCR初参戦で初表彰台のペーニャと、その背後4位にもこれがTCRデビュー戦の週末となったロッシが続く結果となった。

 引き続きTCRブラジルとの併催が予定されるサウスアメリカ・シリーズ第3戦は、6月14~16日にサンパウロの内陸部に位置するヴェロチッタで争われる。