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ヤマハのリンスが2番手で好発進。バニャイアは唯一の1分44秒台で初日最速/第7戦イタリアGP

2024年05月31日 23:20  AUTOSPORT web

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フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)/2024MotoGP第7戦イタリアGP
 5月31日、2024年MotoGP第7戦イタリアGPの初日がムジェロ・サーキットで行われ、プラクティスはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップで終えた。

 前戦の第6戦カタルーニャGPから、連戦での開催となるイタリアGP。今大会は、ポル・エスパルガロ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)とロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング)がワイルドカード参戦している。

 また、同じくワイルドカード参戦が予定されていたカル・クラッチロー(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)は別項でお伝えした通り、右手の手術による合併症のため出走がキャンセルとなった。それにより、全24名のライダーがエントリーしている。

 午前のフリー走行1回目は気温19度、路面温度28度の曇り空の下、ドライコンディションで開始。全ライダーがフロントにソフトタイヤ、リヤにミディアムタイヤで走り始めると、早々からタイミングモニター上の順位が目まぐるしく入れ替わる。

 そんななか、早々にアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)が1分46秒719でトップに立つ。その数分後には序盤の1コーナーで転倒を喫していたが、ピットに戻った後に走行を重ねていたため、大きな怪我はなかったようだ。

 その後、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)も、1分46秒790で2番手に食い込む。すると、開始15分ほどで上位につけていたマルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が、1分46秒587でトップタイムを更新。

 さらに、ペドロ・アコスタ(レッドブルGASGASテック3)も1分46秒691秒差で2番手に並ぶと、残り10分を切ったところでマルク・マルケスのタイムを0.128秒縮めてトップに浮上する。そこから各ライダーが続々と再び走行を再開すると、トップ10圏外にいたアプリリア勢が上位に食い込み始める。

 まずは、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)が1分46秒140でトップタイムを塗り替えると、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)もトップ5につけた。ところが、その直後にフランコ・モルビデリが2番手、ホルヘ・マルティンが4番手とプリマ・プラマック・レーシングのふたりが揃って順位を上げる。

 終盤に各車がタイムアップを図っているところ、残り3分を切ったあたりでセクター1を全体ベストのペースで来ていたアコスタが、10コーナーで転倒を喫してしまう。それにより複数名のライダーがイエローフラッグによって、タイム更新を阻まれる展開となっていた。

 その状況のなかでもタイミングが功を奏したのは、前戦から新型エアロを投入しているファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)だった。前戦の決勝後にはマシンの改善を実感していたようで、序盤からトップ10圏内に入る走り出しを見せていた。そんなクアルタラロが、トップのビニャーレスから0.188秒差の2番手につけたところで、チェッカーフラッグが振られた。

 その結果、午前のセッションはアプリリアのビニャーレス、ヤマハのクアルタラロ、ドゥカティのモルビデリという異なるメーカーのライダーがトップ3で終える形となった。

 午後のプラクティスも午前と同様にドライコンディションでスタートした。早々にトップに立ったのは、1分45秒582をマークしたマルク・マルケスだった。同じく1分45秒台に入れたリンスが2番手に続き、さらに午前で好走を見せたクアルタラロが3番手に浮上する。ところが、その後に1分45秒台に突入させたバニャイアが3番手、アコスタが4番手に食い込む。

 その時点で順位が一度落ち着き、中盤頃には、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46・MotoGPチーム)が5番手に食い込む。その直後には、アコスタが13コーナーで本日2度目の転倒を喫している。

 残り20分を切ると、ここでトップが入れ替わる。午前のFP1でトップで終えたビニャーレスが、1分45秒424で首位に浮上。さらに、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が4番手、ジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が6番手とトップ10圏内のオーダーに動きが出始めた。

 残り10分頃になると、リンスがタイムをさらに縮めてトップから0.125秒差の2番手につけた。その後、各車が続々をコースインを始め走行が再開されると、バニャイアが1分44秒938でトップタイムを塗り替えた。

 ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)も一時2番手に浮上するが、トラックリミットによりタイムが抹消。そこで2番手にアコスタが食い込み、3番手にミゲール・オリベイラ(トラックハウス・レーシング)がつける状況に。

 このまま順位に変動はなく、終わるかと思われたが、チェッカー間際にリンスが1分45秒211とさらにタイムを縮め、2番手に食い込んだ。ただトップにはわずかに及ばず、唯一の1分44秒台をマークしたバニャイアが初日最速となった。

 3番手にはアコスタ、4番手にはオリベイラ、5番手にマルク・マルケスが続いている。マルティンは7番手、午前の最速ビニャーレスは9番手で予選ダイレクトQ2進出を獲得。クアルタラロは惜しくも11番手となり、予選はQ1からのアタックとなる。

 日本メーカーのホンダ勢最上位は、19番手の中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)だった。20番手には、夏に開催される鈴鹿8耐に出場が決まったヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)。21番手にジョアン・ミル、24番手にルカ・マリーニとレプソル・ホンダ・チームの2名が続いた。