「コス(COS)」が、京都で活動する絞り染め職人 田端和樹とのコラボレーションコレクション「COS × TABATA SHIBORI」を発売する。コスが日本の伝統工芸とタッグを組むのは今回が初めてで、6月5日からCOS青山店、マリン アンド ウォーク ヨコハマ店、ダイバーシティ店、公式オンラインストアで展開。販売開始に先駆けて京都芸術大学で開催されたプレゼンテーションでは、同コレクションが初公開となったほか、田端とブランドのデザインディレクター、カリン・グスタフソン(Karin Gustafsson)が登壇した。
たばた絞りは、50以上の技法を持つ絞り染め「京鹿の子絞り」職人の父を持つ田端が25歳の時に創業。田端は元々音響関係の仕事に就いていたが、伝統産業が衰退していく現状を父から聞き、「誰もやらないなら自分がやろう」と一念発起して絞り染めの世界に飛び込んだ。父から見様見真似で学んだ「京鹿の子絞り」と「たばた絞り」の違いは、「京鹿の子絞り」が絹にしか染色してはいけないという決まりがあるのに対し、「たばた絞り」はウールや綿など、染色する素材に制約がないことにある。
コラボは、日本の伝統工芸である絞り染めにフォーカスしたコレクションを作りたいと考えていたカリンが田端のインスタグラムを見て惚れ込んだことをきっかけにプロジェクトがスタート。田端は最初コスからのダイレクトメッセージをみて「スパムメッセージかと思った」というが、アシスタントの一人がブランドをチェックしていたことから誤解が解け、協業に至ったという。
コレクションでは、「雪花絞り」「手筋絞り」といった2つの技法をベースに製作したアイテムを展開。透け感のある生地に手筋絞りの模様をあしらったジャケット(2万6000円)とパンツ(2万3500円)のセットアップや、手筋絞りに一部染め上がりが傘を開いたように見える「傘巻き絞り」の要素を加え扇子のような模様を表現したマキシワンピース(3万1000円/全て税込)、雪花絞りをデザインに落とし込んだシルクスカーフ(価格未定)など、ウィメンズ、メンズ合わせて14型をラインナップする。カリンは「水から着想を得て、流動性のあるデザインのアイテムを作りたいと考えていた。布地の魅力をそのまま引き出す『たばた絞り』は、まさにイメージとぴったりだった」と話した。
日本の伝統産業である絞り染めは現在深刻な後継者不足に悩まされており、現在44歳の田端を除けば70代が最も若い世代になる。田端は「自分一人の力では絞り染めの魅力を伝えていくのは限界があるので、コスさんには感謝している。今回のコラボをきっかけに世界中のたくさんの人に興味を持ってもらえたら」とコメント。カリンは今後の日本の伝統工芸とのコラボについて現状決まっていることはないとしながらも、「また素敵な出会いがあれば前向きに考えたい」と語った。
■COS × TABATA SHIBORI発売日:2024年6月5日(水)取り扱い店舗:COS青山店、マリン アンド ウォーク ヨコハマ店、ダイバーシティ店、公式オンラインストア