5月31日(金)、WRC世界ラリー選手権第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』のシェイクダウンが行われ、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が最速タイムをマークした。TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のレギュラーである日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、5番手タイムで今大会最初のセッションを終えている。
第5戦ポルトガルから3週間を経て、クルーらは地中海に浮かぶサルディニア島に集結した。グラベル(未舗装路)連戦の2戦目となる今大会は、16本のスペシャルステージ(SS)で争われ、トータル距離は266.12km、リエゾンを含めた総走行距離は1035.46kmだ。
一年前は、コンディションの変わる再走ステージや、突然の雨でできた深い水たまりなどがクルーらの手を焼いた大会となっており、今年も難しい状況のなかでのラリーが予想されている第6戦。
30日午後には、島北西部アルゲーロのサービスパーク付近でセレモニアルスタートが行われ、華々しく開幕を迎えた。続いて31日午後より始まるSSを前に、2.08kmの小区間を舞台としたシェイクダウンが、薄雲の広がる空のもとで実施された。
セッションは午前8時にスタートし、グラベルとターマック(舗装路)が合わさったミックスサーフェスのステージへ、ポイントランキング首位のヌービル/ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)からコースインしていく。
各車の走行後には細かい砂交じりの土煙が広がるなど、視界状況も難しいなかで行われた最初の走行では、TGR-WRTのセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が2分17秒1のトップタイムをマークする。
さらに数々のマシンが走行を重ねるうち、徐々にコースコンディションは向上し、WRC2クラスのジョシュ・マクリーン(シュコダ・ファビアRSラリー2)がオジエから0.8秒差で続く好タイムを刻んだ。
3番手にはラリー・イタリア・サルディニアを2度制した経験を持つダニエル・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)。そして4番手に勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)が続くファーストランの結果となる。
以降は各車、複数回アタックを繰り返すなかでさらにタイムが上がっていく。午後からのSSで想定されるコンディションをターゲットとした調整を進めるなか、最終的な首位タイムをマークしたのはヌービル/ウィダグ組となった。2回目のアタックで2分13秒7をマークして首位に立ったヌービル組は、3回目で2分13秒5をマークしてさらにタイムを縮めている。
2番手には僚友オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が2分14秒1で続き、0.1秒差の3番手には、こちらも2回目のランでペースを上げたオジエがつけた。
4番手には、ヒョンデの3台目を駆るダニエル・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)と、TGR-WRTの勝田が同タイムで続き、残るマニュファクチャラーのMスポーツ・フォードWRTから参戦するアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)は、総合7番手に入る。
WRC2クラスのトップは、マクリーンの後にコースインしたピエール-ルイ・ルーベ(シュコダ・ファビアRSラリー2)が2分15秒6で総合6番手につけ、ラリー1の間に割って入る。クラス2番手にはマーティン・プロコップ(シュコダ・ファビアRSラリー2)が2分16秒8でつけ、0.4秒差でファブリツィオ・ザルディバール(シュコダ・ファビアRSラリー2)がクラス3番手に続いた。
今大会は、昨年と異なるスケジューリングがなされており、シェイクダウンと同日に4本のSSを実施するショートフォーマットとなっている。最初のSS1は現地時間14時33分(日本時間21時33分)より開始予定で、SS1から4までの総走行距離は77.82kmだ。