北海道・帯広市の百貨店「藤丸」を運営していた藤丸と関連会社のふじまるビルが、5月20日に釧路地裁帯広支部により特別清算開始命令を受けた。帝国データバンクや東京商工リサーチが報じた。
藤丸は1900年に創業し、1950年10月に法人化。呉服商が祖業で、1930年以降に百貨店の業態に変更し、帯広市内で百貨店「藤丸」の経営を行っていた。北海道東部では唯一の地元資本の百貨店として、帯広市内のみならず北東部にも固定顧客を有し、衣料関連を主体に食料品や雑貨などの商品を扱っていた。
複数媒体によると、1992年8月期に売上高145億7279万円を計上した以降は徐々に減収傾向となり、2016年8月期には売上高が53億6983万円まで落ち込んだ。2020年に入ると新型コロナウイルス感染拡大により来館者が減少し、2020年8月期の売上高は47億8261万円にとどまり、大幅赤字を計上。2022年8月期は5期ぶりに増収に転じたが、8期連続赤字となるなど厳しい業績から脱することはできず、2023年1月31日で百貨店を閉店していた。負債は、藤丸が約25億4000万円、ふじまるビルが約8億6600万円、2社合計で約34億600万円。
【藤丸 閉店のおしらせ】藤丸は2023年1月31日をもちまして、122年の営業を終了させていただきます。明治33年(1900年)、十勝・帯広の地に創業以来、地域の百貨店として、世代を超えてご愛顧賜りましたことに深く感謝し、厚く御礼申し上げます。122年間、誠にありがとうございました。 pic.twitter.com/BnPnTsLJpN— 藤丸百貨店 (@fujimaruobihiro) January 31, 2023
なお、百貨店の再開に向けて、地方創生ベンチャーそらと、帯広日産自動車の持ち株会社 村松ホールディングスが新会社 藤丸を2022年12月28日付で設立。既存の建物を改装し、早ければ2025年秋のオープンを目指す計画だ。