2024年05月30日 12:10 リアルサウンド
きれいな色や形、香りで見るものを癒してくれる花々。しかし、それらが持つ花言葉は意外なものだったりする。人間の体に植物が生えてくる世界を舞台にした人間模様が描かれる漫画『花は口ほどにモノを言う』の第3話を切り抜いた『「生えてきてほしくない」女の子の話』がXで人気だ。
(参考:漫画『花は口ほどにモノを言う』を読む)
作者は追本さん(@imokun_)。3年以上も前の本作が今も新たな読者を獲得していることについて、どう考えているのだろうか。作中の演出や現在コミックdaysにて連載中の『クラゲの骨は青』などのトピックも含めて話を聞いた。(小池直也)
――多くのいいねが集まっていますが、反響はいかがですか?
追本:反響は分かりませんが……。読んでくださった方が物語の世界に入り込んでくれて、「自分に生えるとしたら……」と考えてくれるコメントは嬉しかったです。
――連載にあたって多くの花を調べたと思われますが、特に印象的な花があれば理由を添えていくつか教えてください。
追本:シロツメクサが印象的でした。四つ葉のクローバーのようにハッピーな印象で、実際の花言葉は「幸せ」や「約束」、「私を想って」などプラスの印象でしたが、反面「復讐」という少し怖いものもあったからです。
「幸せ」や「約束」、「私を想って」などの気持ちが報われなかった時に「復讐」へ転じてしまうからなのかなあと思ったり、興味深かったです。幸せと復讐は紙一重なのかもしれません。
――第3話では花がカラーで、心がオープンになるエンディングになるとカラー部分が増える演出が印象的でした。
追本:始めは紙で出版される予定がなく、ツイッターのみの掲載予定でした。そこで担当編集の方から「せっかくだし部分的でも色を塗ってみるのはどうか?」と提案をいただいたんです。
植物の部分だけでよかったのですが、塗っていい範囲を聞いたら「好きなようにしていい」と許可をいただけたんですね。そうしたら塗るのが楽しくなってしまい(笑)、ラストのフルカラーは私が塗りたかったから塗りました。結果、演出としても成功していたようでよかったです。
――本作は2021年に第1巻が発売され、約3年が経ちます。しかしながら、多くの読者が新作として触れていると思います。こういう状況についてどう考えていますか?
追本:ありがたいことに今までもたくさんの方に読んで頂けていましたが、まだまだ知らない方がいた事に少し驚きました。これからも多くの方に読んでもらいたいです。
――現在連載中の『クラゲの骨は青』も先日に3巻が発売になりました。こちらは今後どう描きたいのかを教えてください。
追本:「共依存からの自立」をひとつのテーマとしてたのでそれを描いていきたいです。
――作家としての今後の展望、書いてみたい題材などがあればお願いいたします。
追本:私の好きなカップルの傾向として「男の子が女の子にベタ惚れ」というのがあるので、そんなラブコメに挑戦してみたいです。あとは自分では思いつかないような物語の作画担当もしてみたいですし、BLも描いてみたいし……。やってみたい事は沢山あります。
(小池直也)