ヨドバシカメラが、新業態の体験型リテールメディアストア「Yodobloom」を6月21日に池袋東口にオープンする。同店は、2023年9月に米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ(以下、フォートレス)が買収したそごう・西武の西武池袋本店の改築の一環として店舗を構える。
Yodobloomは、さまざまな商品を専門スタッフのサービスを通じて比較体験ができるほか、体験を気軽に情報発信ができるSNSと商品体験が融合した新しいリテールメディアストアとして開業する。
1号店となる「Yodobloom 池袋店」では、メイクアップ11ブランド、スキンケア11ブランド、ヘアケア15ブランド、美容家電8ブランドを展開。プロのエステティシャンによる美容家電やスキンケア商品を使った体験サービスと、肌測定とカウンセリングから肌の状態に合わせた美容家電やスキンケアを提案する「美容家電カテゴリ」、美容師がシャンプーやトリートメントを施したあと、好きなドライヤーを組み合わせてブローまでが体験できる「ヘアカテゴリ」、メイクアップアーティストによるタッチアップを行う「コスメカテゴリ」の3カテゴリを用意する。
ヨドバシホールディングス(以下、ヨドバシHD)のビジネスパートナーであるフォートレスが、そごう・西武を買収したことで明らかになった改装案は、家電量販店「ヨドバシカメラ」を出店することにより現状の百貨店の売場が半減するほか、そごう・西武をテナント化して従来のアパレルや服飾雑貨売場を大幅に縮小し、ラグジュアリーブランドや化粧品、食品を中心とした店舗へと舵を切るといったもの。そごう・西武の親会社だったセブン&アイ・ホールディングスは、赤字が続く百貨店事業の立て直しに向けて、2022年11月に売却することを発表。2023年2月1日付で手続きが完了する予定だったが、ヨドバシHDがビジネスパートナーとなって百貨店事業の運営に携わることに対して、西武池袋本店の主要フロアに「ヨドバシカメラ」が出店するのではないかという疑念から、豊島区区長やそごう・西武労働組合などが反対の意向を表明していた。同社の売却は2度にわたって延期され、2023年8月31日には労働組合による同店でのストライキ決行も経た上で、最終的に取引が成立した。