5月26日、2024年MotoGP第6戦カタルーニャGP Moto2クラスの決勝レースがスペインのカタロニア・サーキットで行われた。抜群のスタートを決めた小椋藍(MT Helmets – MSI)は、終盤まで安定したペースを披露して今季初のトップチェッカーを受け、2戦連続の表彰台を獲得した。
前戦の第5戦フランスGPでは、予選17番手から決勝では抜群のスタートを決めて今季初の表彰台となる2位を獲得した小椋。今回は、初日のフリープラクティスでトップ5に入る走り出しも見せていたが、ウイーク中は午前と午後でフィーリングの違いに少し悩まされていたようだ。
予選では「スピード不足」も感じていたというが、トップから0.545秒差の10番手につけて決勝レースに臨んだ。スタートではアウト側から一気に7台を交わして3番手に浮上するが、フェルミン・アルデグエル(Folladore SpeedUp)に先行を許すと、さらにその後も一時は6番手まで後退してしまう。
しかし、小椋は落ち着いた走りで徐々に順位を回復させ、折り返しの11周目には再び3番手の表彰台圏内に姿を現す。この時点でトップを走るアルデグエルとは約2.7秒、前を走るチームメイトのセルジオ・ガルシア(MT Helmets – MSI)とは約1.6秒の差がある状況だった。
ところが、先頭のアルデグエルに残り8周時点でロングラップペナルティが科され、さらに消化の際に痛恨の転倒を喫して波乱の展開に。それにより2位に浮上した小椋は、ガルシアとの距離を少しずつ詰めていき、ラスト5周でほぼ真後ろにまで迫ることに成功する。
翌周のホームストレート上でガルシアを難なく仕留めると、そのまま引き離していき、小椋が今季初優勝を手にした。序盤から上位争いを演じていたガルシアは、前半にプッシュしていたこともあり、タイヤの消耗が進んでいた。そのため、終盤は1分46秒台後半から1分47秒台と大きくペースが落ちてしまっていた。
それに対して小椋は、表彰台圏内に再浮上してから後半にかけてのプッシュとなったため、終盤も1分45秒台半ばから1分46秒台前半をキープできていた。レース中におけるタイヤマネジメントが鍵となり、今回はそのことが僚友対決の勝敗を大きく分けた要因となったようだ。小椋は今回の勝利が移籍後の初優勝となり、さらにランキングも3位に浮上しており、自身にとっても嬉しい結果となった。
■MT Helmets – MSI
小椋藍(決勝:優勝)
「ワン・ツー・フィニッシュは素晴らしいですし、決勝のスタートはすごく良かったです。スタート後は順位を落として、グリップもなかったですが、ペースを維持して順位を上げることができました」
「セルジオ(・ガルシア)とペースが異なり、それが違いを生んだんだと思います。とても難しい週末でしたが、10番手スタートから優勝できたから嬉しいです」