吉田修一原作映画『愛に乱暴』が、「第58回カルロヴィ・ヴァリ映画祭」に出品されることが決定した。
徐々に平穏を失っていく妻を、主演の江口のりこが演じ、小泉孝太郎、馬場ふみか、風吹ジュンら個性豊かな俳優陣が名を連ね、江口さん扮する主人公を追い詰めていく本作。
チェコ共和国の首都プラハから車で90分ほどの距離にあるカルロヴィ・ヴァリで開催される同映画祭は、主要国際映画祭の中ではカンヌ、ロカルノと並び、ヴェネチアに次ぐ長い歴史を持つ中・東欧最大規模の映画祭。
その中で、メインコンペティション「クリスタル・グローブコンペティション部門」に選出された本作。最高賞であるクリスタル・グローブ受賞作には、『アメリ』や巨匠ケン・ローチの『ケス』などがあり、そんな歴史ある映画際で本作はワールドプレミアを迎えることとなる。
コンペ作品の中からクリスタル・グローブ賞に選ばれた日本映画は、1958年に『異母兄弟』(家城巳代治監督)が輝いて以来、日本作品の受賞はしていない。
今回の出品を受けて、江口さんは「数ある映画の中から選んで頂けたことに感謝いたします。日本から遠く離れたチェコで、観客の皆様がどのような反応をなさるのか楽しみです」とコメント。
監督の森ガキ侑大は「歴史ある映画祭のコンペで争うことは容易なことではないですが、世界と戦ってくれる作品になっている事は間違いないと自負しております。この映画が世界に羽ばたき、より多くの人の心の中で絶えず生きていくことを切に願っております」と喜んだ。
また、主人公・桃子の一見穏やかだが、心ざわつく日常を切り取った場面写真も到着。夫・真守(小泉さん)の手を切ない表情で触れたり、義母の照子(風吹さん)のごみ捨てを肩代わりしたり、台所で物思いにふけたり。
帰宅途中の浮かない表情の真守、女性(馬場さん)を挟んで一触即発の一幕にも注目だ。
『愛に乱暴』は8月、全国にて公開予定。
(シネマカフェ編集部)