5月26日、アメリカ・インディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイにて、“世界三大レース”のひとつであるインディアナポリス500マイルの決勝レースが行われ、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が優勝。2001-02年に連覇を達成したエリオ・カストロネベス以来、史上6人目となる2年連続優勝ドライバーとなった。
ペンスキーのチームメイトであるスコット・マクラフラン、ウィル・パワーに次ぐフロントロウ3番手から200周の決勝レースをスタートしたニューガーデン。1年前に劇的な逆転でインディ500初優勝を飾った彼は、2024年大会でもそれを再現するかのように、先行するパト・オワード(アロウ・マクラーレン)をファイナルラップのターン3でアウト側からオーバーテイクし、2番手から首位に浮上すると0.3417秒差をつけてトップチェッカーを受けた。
「このレースでまた勝てると思っていた」と33歳のアメリカ人ドライバーは語った。
「これ以上の勝ち方はない」と続けた彼は優勝を争ったライバルを称賛した。「パト(・オワード)は信じられないほどクリーンなドライバーだ。あのようなバトルを成功させるにはふたりの力が必要なんだ」
優勝トロフィーのスポンサーであるボルグワーナーから44万ドル(約6900万円)のボーナスを受け取ることとなるニューガーデンは、2024シーズン開幕戦でチームが行った違反が発覚した後、社長兼ストラテジストであるティム・シンドリックとエンジニアのルーク・メイソンを欠くなかで、ペンスキーにとって通算20回目のインディ500優勝を成し遂げたチームを誇りに思うと述べた。
違反発覚後の評論家たちについて「彼らは好きなように言うことができる。だが、もう気にしない」とニューガーデン。
「このチームを誇りに思う。彼らはそれを打ち砕いた。ルークとティム、彼らは今日ここにいないけど、このレースの大きな部分を占めている」
「チーム・ペンスキーのみんなを誇りに思うよ。これこそ僕が望んでいた勝ち方だ」
一方、残り半周でトップの座を奪われ2位に終わったオワードは「それを言葉にするのは難しい」と複雑な心境を明かした。
2022年にも勝者にもっとも近い敗者となった彼は「また近かった」とコメント。「あのクルマにできるとは思ってもみなかったことをやり遂げた」
「やれやれ、あれだけ力を注いだのにコーナーふたつ分足りないなんて……。それは、とても痛いね」
インディアナポリス500マイル史上、ラストラップでの逆転劇でレースに決着がついたのは今回で4度目。ニューガーデンは前年の2023年大会も200周目にマーカス・エリクソンをパスしてこの偉業を達成している。