Text by CINRA編集部
入江悠監督の映画『あんのこと』から稲垣吾郎出演の場面写真が公開された。
6月7日に公開される同作は、2020年6月に掲載された「少女の壮絶な人生を綴った新聞記事」をもとにした作品。機能不全の家庭に生まれ、虐待の末に薬物に溺れる21歳の杏が、人情味あふれる型破りな刑事をはじめとした人々に出会い、生きる希望を見いだしていくも、その矢先、どうしようもない現実が彼女の運命を襲うというあらすじだ。
杏役に河合優実、杏に更生の道を開こうとする刑事・多々羅役に佐藤二朗、杏と多々羅を取材するジャーナリスト・桐野役に稲垣吾郎がキャスティング。
河合優実が「影の主人公」と表現する桐野は、杏に介護の仕事を紹介する一方で、3年前から多々羅と、彼が主催する薬物更生者の自助グループ・サルベージ赤羽の活動を取材。場面写真には、家を飛び出した杏を迎える多々羅と桐野ら3人を捉えたシーンをはじめ、ある衝撃的な事実に腰を抜かす姿、編集部での様子が切り取られている。喫茶店や取調室でのメイキング写真も到着。
入江監督は「桐野という人物が抱える独特の居心地の悪さ、どっちつかずの葛藤みたいなものを、稲垣さんが絶妙に体現してくれました。シーンによっては無表情で、何を考えているのか見えにくいこともある。でもトータルの芝居には何とも言えない揺れが滲むんです。見事だと思いました」とコメント。
稲垣は「ジャーナリストとしての正義感と、二人との友情と、一会社員としての下心。いろんなところで揺れ動く役なので、それが上手く伝わってればいいなと僕も迷いながらやりました。答えがひとつではない映画ですが、いまの社会にとって必要な映画だと僕は思います」と語っている。
© 2023『あんのこと』製作委員会
© 2023『あんのこと』製作委員会
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