Text by CINRA編集部
堂本剛主演、荻上直子監督・脚本の映画『まる』が10月に公開。2種類のティザービジュアルと特報映像が到着した。
1997年に公開された『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』以来、27年ぶりの映画主演を務める堂本剛が演じるのは、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。通勤途中に事故に遭い、腕の怪我が原因で職を失った沢田の日常が、部屋にいた蟻に導かれるように描いた◯(まる)を発端に、○に浸食され始めるというあらすじだ。
ティザービジュアルメインには「ある日突然、◯が迫ってきた」という言葉とともに沢田が住む街を背景に撮り下ろした写真を使用。キャラクターVer.には沢田の後ろに○が迫ってきている様子が写し出されている。デザインは大島依提亜が担当。
特報映像は日常が◯に浸食されはじめ、◯に囚われ始める沢田の様子を捉えたもの。
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【堂本剛のコメント】
主演でお芝居させていただくのは久しぶりです。寝不足で誰のために何のために働いているのかも考えられない毎日を過ごしている主人公の沢田。だから顔色も良くはない、目の下にはクマ、顔の筋肉も動いていない。自分本来の心で人生を柔らかく生きて描きたいままに画を描くこと。これが叶えば良いだけなのに、人は自分を誰かと比べ、審査し、点数のようなものを付ける。孤独だということをそれこそ理解できずにそうしてしまう人も多いのだろう。孤独を感じていなければ人はそうならないだろう。頼んでもいないのに人は人の生き方や道にそうする事で我が身や我が心が安心するのだろう。ならばそれに付き合うこともまた人生か?と、沢田なりに人々の孤独に漂ってみている。きっと正しくないしもはや楽しくもない事はわかっているが、いらぬ優しさがそうさせてしまうのかも知れない。そんな沢田を演じるうえでいろいろを整えることをやめて崩すイメージで演じさせていただきました。
共演者の皆様がとても優しく接して下さいました。荻上監督をはじめスタッフの皆様も大変優しく接して下さいました。そのことがいちばん嬉しくて幸せでした。「人は人に優しく生きることができる」を叶え合い大切な一日を繰り返し完成した作品『まる』。
まるという言葉や文字を皆様はどう捉えてこの作品を楽しんでいただけるか興味深いところです。
劇中でもたくさんまるを描きました。細部に渡る隅々まで。たくさんたくさん描きました。世の中が平和を諦めずに平和を作ることへ時間や命を繋げてほしいと想いを込めて「。」
【荻上直子監督のコメント】
撮影中の1ヶ月間、純度の高い無色透明な塊、みたいなもののそばにいるような気持ちでした。もし彼のタマシイが見えたら、きっとそんな感じなのだろうと思う。混じり気のないどこまでもどこまでも透明な珠(たま)。