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MAPPAがK2 Picturesと世界市場を目指した映画製作、是枝裕和らとともにコメント寄せる

2024年05月10日 07:01  コミックナタリー

コミックナタリー

K2 Picturesと映画製作を進めていくクリエイターたち。左から岩井俊二、是枝裕和、白石和彌、西川美和、MAPPA、三池崇史。
アニメーションスタジオのMAPPAが、映画・映像を中心とした事業を展開するK2 Picturesと世界市場を目指した映画製作を進めていることが明らかに。K2 Picturesは、MAPPAのほか、岩井俊二、是枝裕和、白石和彌、西川美和、三池崇史らを志をともにし、映画製作を進めていくクリエイターとして発表した。

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2023年8月1日に事業を開始したK2 Picturesは、本格始動に併せて“日本映画の新しい生態系をつくる”ことを目標に掲げ、日本発の映画製作ファンド・K2P Film Fund Iを設立。海外法人や国内において、新しい投資家が参入しにくいことから、日本の映画製作の生態系が長らく変わっていないと現状を危惧し、海外からの投資を想定した法律・会計基準を持つファンドとして、K2P Film Fund Iを練り上げた。さらにクリエイターへの利益還元が十分に行われていないという、日本映画製作における問題点にも触れ、K2P Film Fund Iでは、利益還元の仕組みを取り入れると説明。日本映画をさらに活気ある産業にしていくこと、世界の市場に向けて展開していくことを目指していく。

現地時間5月18日にはフランス・カンヌにて、記者会見の開催も決定。K2 Picturesが描くビジョンやファンド組成についての詳細を発表する。記者会見にはK2 Pictures代表取締役CEOの紀伊宗之に加え、ともに作品製作をしていくクリエイターの三池、西川も登壇予定だ。なお会見では、監督デビューを果たす新人監督の発表も行われる。

K2 Picturesと映画製作を進めていくクリエイターたちからはコメントも寄せられた。唯一、アニメーションスタジオとして名を連ねたMAPPAは、「アニメーションスタジオとして何ができるのかを精一杯考えながら、映画製作のパートナーとして力を尽くしたいと考えております」と綴っている。

■ MAPPA コメント
「K2 Picturesの挑戦を応援したい」という想いで、このプロジェクトに参加させていただきました。
私たちも、アニメーションスタジオとして何ができるのかを精一杯考えながら、映画製作のパートナーとして力を尽くしたいと考えております。

■ 岩井俊二 コメント
紀伊宗之のやりたいことなら絶対に応援したい。それがこのプロジェクトに参加した僕の純粋なる動機だ。
プロデューサーとしての彼は無類に頼もしい。彼にかかったら開かない鍵なんかないかのようだ。
彼とする仕事は無類に楽しい。それは彼に人を信じる力があるからだと思う。いつの時代も破天荒な発明家が時代を塗り替えて行く。今回、彼は僕らのために新しい乗り物を作ってくれた。K2 Pictures。
それは自動車のようでもあり、船のようでもある。飛行機にも潜水艦にもなり得る。
山に登ればそれはピッケルとアイゼンに変身してくれる。
そんな変幻自在、臨機応変なしなやかさがK2 Picturesの持ち味になることだろう。
そんなチームだったらフィルムメーカーだって本気で頑張れる。
僕も思いつく限りのアイディアを投じてこの恩に報いたい。
どんな冒険が僕らを待ち受けているだろう。
10年後、どんなチームに成長しているだろう。
とにかく今から何もかもが待ち遠しくて仕方がない。

■ 是枝裕和 コメント
30年映画を作って来て感じていた既成の作り方への疑問や、違和感をどうしたら改善出来るか模索している途上で、紀伊さんたちの取り組みに出会いました。このチャレンジが成功して、映画界に良い風が吹き、新しい才能にチャンスが開かれる。そんな未来を実現しようとしている心意気に共感して、仲間に加えて頂きました。
共闘を楽しみにしています。

■ 白石和彌 コメント
K2 Picturesの勇気ある船出に心から拍手を送ります。日本の映画界に革命を起こし、見えない壁を壊して下さい。今までの日本映画では実現不可能だった企画や、突出したユニークな才能が生まれることを期待しています。私も並走して世界を驚かせる映画を作りたい。よろしくお願いします。

■ 西川美和 コメント
日本の映画の世界でキャリアを重ねながら抱くようになったのは、なぜか自信や希望よりも行き止まりのロープにつんのめるような感覚でした。これ以上映画を撮るのはなんとなく怖いような気がしていました。
それで「映画」から背を向けるように、従来の映画会社や出資者が決して歓迎しないような話を書いていたんです。すると紀伊さんという人が立ち上げたK2 Picturesが新しい投資で資金繰りしてそれを映画にする、と言ってくれた。本気だろうか、と思いました。
しかも若い作り手の独創的な企画にもチャンスの扉を開いているという。安全牌で固める発想ではなく、新しい人やきわどいものに必要十分な資金と環境で機会を作ることを目指すK2 Picturesの挑戦には乗ってみる価値があると思いました。
ある意味、K2 Picturesのファンドや新しい配給の仕組みは、危険な冒険にも思えます。実際、一筋縄ではいかないこともあるでしょう。でもそれが映画作りだし、どうせ映画を作るなら私は冒険をするチームと組みたい。それがこれから先に日本で映画を作っていく人たちの、新しい活路になっていく可能性があるならば尚更です。

■ 三池崇史 コメント
「K2 Pictures」。そして紀伊という怪しげな男について
紀伊=誠実な破壊者。
私はこう見ている。とてもパワフルだ。そして、そのエネルギーの源は、優しさだと思っている。
「もっと面白い映画を創って、もっと幸せになろうよ」
紀伊さんの笑顔に、そんなシンプルなメッセージを感じる。
だから私は「K2 Pictures」を信じている。