Text by CINRA編集部
尾崎世界観の新作中編小説『転の声』が本日5月7日刊行の雑誌『文學界』6月号に掲載されている。
『転の声』は「転売される」ミュージシャンの後ろめたい興奮と欲望を描いた作品。『芥川龍之介賞』候補作となった『母影』から4年ぶりの新作となる。
このほか初の中編小説集『かわいないで』を5月13日に発売する加納愛子(Aマッソ)と、3月に『生きる演技』を刊行した町屋良平の初対談や、田中慎弥のエッセイ、又吉直樹の連載が掲載される。電子版は5月9日より順次配信。
【浅井茉莉子編集長のコメント】
芥川賞候補作「母影」から4年。尾崎世界観さん待望の最新作「転の声」(230枚)が一挙掲載となります。声に不調を抱えるロックバンドのフロントマンは、自分達のライブのチケットの高騰を心の拠り所にしーーその先に、今までのライブ観を一変する思わぬ事態が待ち受けています。これまで類を見ない「転売」小説が誕生しました。ほか、『かわいないで』を上梓した加納愛子さんと町屋良平さんの対談、奥泉光さんが島田雅彦さんとの対談形式で行った近畿大学最終講義「いま文学を学ぶ人たちへ」にも、文学の今が詰まっています。ぜひお読みいただきたいです。