病院で不思議な体験をしたことがある、という人は多い。場所の雰囲気がそういう気分にさせるのだろうか。60代後半の男性(会社役員・経営者)は「ある日従兄の入院してる地元では大きな病院に見舞いに行った」時のエピソードを明かした。(文:真鍋リイサ)
「時間は面会の許される午後3時頃だったろうか。外はまだまだ明るい時でした」
「あれっ!いない!何処へ行った?」
男性は妻と一緒に、2台あるエレベーターの1台の前で待っていた。ドアが開き、乗ろうとしたら、
「後ろからスーッと30歳くらいの女性が小脇に何か抱えて、私と女房の間を通り抜けて、エレベーターに乗るやいなや扉を閉めた」
先を越されたうえに、一方的に扉を閉められた男性は「何と無礼な」と激怒。そして、この女性に聞こえるように「(開く)ボタンを押せ!」と妻に向かって大声を張り上げたという。
「女房は慌ててボタンを押した。すると閉まりかけた扉が寸前であと20センチくらいのところで再び開いた」
男性は「わざと中の女に聞こえるように怒りに任せた声を上げた」ため、男性の妻は気まずそうに「すいません」と頭を下げながら、二人でエレベーターに乗り込んだ。しかし、エレベーターの中を見渡すと、
「あれっ!いない!何処へ行った?消えていたのである」
なんと先に入った女性は跡形もなく消えていたのだ。ただ、男性に「恐怖心はなかった」という。病院という場所だけに幽霊と結びつけたくなる気持ちもわかるが、はたして……。
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