『哀れなるものたち』で第96回アカデミー賞を獲得したヨルゴス・ランティモス監督による日本未公開短編『NIMIC/ニミック』と、『オールドボーイ』『別れる決心』で知られるパク・チャヌク監督幻の未公開短編『審判』の2作品が、映画配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」にて5月から日本初・独占配信開始。『NIMIC/ニミック』からは予告とランティモス監督のコメントも解禁された。
ヨルゴス・ランティモス監督『NIMIC/ニミック』
5月5日(日)から配信がスタートするのは『女王陛下のお気に入り』や『哀れなるものたち』でアカデミー賞を席捲、まもなく開催される第77回カンヌ国際映画祭でも新作『憐れみの3章』がコンペティション部門への出品が発表されるなど、話題作が続く鬼才ヨルゴス・ランティモス監督による2019年に発表された12分の短編『NIMIC/ニミック』。
妻と3人の子どもがいるチェロ奏者の男は、オーケストラのリハーサルの帰り、地下鉄内で奇妙な女と遭遇する。女は地下鉄をおりた後も男を追いかけ家にやって来ると、男のふりをして家族に溶け込み始める…。
人間の精神を迷宮へと追い詰めていくようなサイコロジカルサスペンス&ホラーである本作。主演は『ドラッグストア・カウボーイ』や『ハウス・ジャック・ビルト』のマット・ディロン、共演は『ベネデッタ』『ジャム DJAM』のダフネ・パタキアが務め、撮影は『光りの墓』『ワイルドライフ』のディエゴ・ガルシアが担当。
2019年ロカルノ映画祭でプレミア上映され、トロント国際映画祭やサン・セバスチャン国際映画祭など数々の国際映画祭でも上映。高い評価を獲得し、待望の日本初配信となる。
ランティモス監督は本作について「わたしたちは脚本を作成するにあたって、最初にとても興味深いアイディアとコンセプトを基にしてストーリーを発展させていきました。そして、自由に創造したものが映画になっていく過程を楽しみました。既成概念に捉われずに、様々なアイディアと向き合っていくことは、僕にとっていつ何時も刺激的なことです」とコメント。
併せて解禁された予告では、<ある1人の男が、偶然電車で出会った女性と会話を交わしたことで、その運命の歯車が少しずつ歪んでいく>。不協和音のような音楽とともに、見る者の心をさらに不安定な状態へと誘い込むような映像に仕上がっている。
パク・チャヌク監督『審判』
5月25日(土)から配信がスタートするのは『オールドボーイ』『別れる決心』のパク・チャヌク監督による幻の未公開短編『審判』。
パク・チャヌクが、現在でも傑作として知られる大ヒット社会派サスペンス『JSA』を発表する1年前に監督した本作は、百貨店崩壊事故により亡くなった女性の遺体を巡り、事故を取材する記者、遺体は自分たちの娘だと主張する複数の人たちによる思惑が<混迷うずまく26分間>。
カンヌに愛される監督の特集も
このほか、まもなく始まる第77回カンヌ国際映画祭を記念し、テリー・ギリアムやミヒャエル・ハネケら、カンヌで話題となった監督たちの話題作や関連作を3作品連続で配信。
『ロスト・イン・ラ・マンチャ』が5月7日(火)スタートすることを皮切りに、5月11日(土)からは第71回カンヌ国際映画祭のクロージング作品『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』、5月15日(水)からは第62回カンヌでワールドプレミア上映された『Dr.パルナサスの鏡』の<テリー・ギリアム監督>3作品が連続で配信スタート。
続く5月13日(月)からは第62回カンヌパルム・ドール受賞作『白いリボン』、5月17日(金)からは第54回カンヌ審査員グランプリを受賞した『ピアニスト』、5月27日(月)からは第50回のカンヌでワールドプレミア上映された『ファニーゲーム』を生み出した<ミヒャエル・ハネケ監督>の3作品連続配信される。
また、5月の<ジャパニーズ・ディスカバリー特集>の新作も決定。若手映画監督の登竜門としても知られる第17回田辺・弁慶映画祭のコンペティション部門でも上映、人間と“ちょっと”だけ違う遺伝子を持つ、実験用生物ホモ・アミークスとその飼育員との奇妙な友情物語を描いた、馬淵ありさ監督による『ホモ・アミークス』が5月21日(火)からJAIHO独占で配信スタートする。
『NIMIC/ニミック』は5月5日(日)0時より、『審判』は5月25日(土)0時よりJAIHOにて配信開始。
(シネマカフェ編集部)