「上司を論破した」経験は誰にでもあるものではないが、どうしても反論したくなることはあるだろう。東京都の30代後半の男性(事務・管理/年収850万円)は、異動時の引き継ぎの件で上司を論破したことがあるという。
「昨年、私が部署異動となったため、メンバーに仕事の引き継ぎをしました。その仕事は上司から週一でメールで進捗報告するように言われていたものだったため、引き継ぎの際には上司も同席させた上で、作成した引継書をプレゼンし、仕事の納期も伝えた上で、あとはお願いしますと伝えました」
男性は上司も同席のうえで、残るメンバーに引き継ぎを終わらせた。ところが、納期になってもその仕事が終わっておらず、上司はそれを男性の責任として追及してきたそうだ。(文:福岡ちはや)
「あの引き継ぎの場に、あなたいましたよね?」
上司は男性とチームメンバーを呼び出すと、男性に向かって開口一番、
「週1回メールで報告しろと言いましたが、なんでしてないんですか?」
と言い放ったという。しかし、異動すれば男性はもうこの上司の部下ではないし、引き継ぎが終わった以上は責任を問われるいわれもない。上司は引き継ぎに同席していたのだから、報告がないなら自分でメンバーに進捗を確認すべきだろう。そこで、上司にはこう言い返した。
「あの引き継ぎの場に、あなたいましたよね?今日が○日なので、あのミーティングから1週間も経っていないですよ。ほら、ここにそのときの議事録あります」
男性は、自分の責任だとするなら「後はお願いします」という抽象的な表現ではなく、事細かくこう言えば良かったのかと上司に詰め寄った。
「私は異動するので、もうこの仕事はできません。(私がメンバーに)『いついつまでにこれをこうやって』って言わなかったのがいけなかったってことですか?」
男性の反論を聞いた上司は、何も言い返せず黙り込んだという。そして「まだ期限が間に合うなら……」と言い残し、その場は終わったが、男性は、
「その後、(上司が)私のデスクに来て『○○さんごめんなさい。この仕事の確認なんですけど、こう進めればいいんですよね……?』と聞いてきました」
と明かす。これではどちらが上司なのかわからない。男性は、
「そのときは頭にきましたが、今ではその上司は他部署の先輩として良く接してくれます。バランスは難しいですが、上司も完璧な人ではないので、真剣に議論をしたほうがお互いのためになるということもあると感じました」
と語っていた。
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