4月28日、アメリカ・アラバマ州のバーバー・モータースポーツパークにて2024年NTTインディカー・シリーズの第3戦『チルドレンズ・オブ・アラバマ・インディ・グランプリ』の決勝レースが行われ、チーム・ペンスキーのスコット・マクラフランがポール・トゥ・ウインで1年ぶりの優勝を飾った
第3戦となり、大きな高低差が特徴のバーバー・モータースポーツパークへと戦いの舞台を移したインディカー。土曜の予選では、マクラフランがポールポジション、ウィル・パワーが2番手とチーム・ペンスキー勢がフロントロウを確保した。3番手にはホンダ勢最上位のクリスチャン・ルンガー(レイホール・レターマン・ラニガン)が続く。
90周の決勝レースは、先頭集団は順当にクリーンなスタートが切られた。後方では接触が見られたもののフルコース・コーションの導入はない。
このサーキットでは、ピット回数が2回か3回に分かれることが多く、トップ3台は3ストップを選択しているのか好ペースでプッシュを続ける。
一方、ペースから推察するに2ストップ組の先頭は、スタート直後に10番手からポジションを上げたアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)だ。
3ストップ勢がリードを築くなか、6周目に後方で起きたクラッシュからフルコース・コーションが導入。マクラフランらのリードはゼロになってしまうが、気を取り直してトップ3台はハイペースでの走行を再開し、1度目のピットインを27周目に済ませた。
30周目にはパロウ、フェリックス・ローゼンクヴィスト、マーカス・アームストロングといった2ストップ勢もピットイン。以降は3ストップ組が0.5~1秒早いペースでギャップを広げにかかる。
しかし44周目、アレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン)がタイヤが外れてしまうトラブルでストップし、2度目のフルコース・コーションが導入となった。
これでリードを失ったマクラフランらは2度目のピットストップへ向かってポジションダウンとなり、パロウらにレースの流れが大きく傾いた。だがその10周後、後方でふたたびクラッシュが発生。3度目のフルコース・コーションとなり、ここでまた形勢は二転三転する。
2ストップ組はこのタイミングで最後のピットイン。残る30周は燃料を温存しながら戦うことになってしまい、ここでパロウらは勝機を逸してしまう。
リスタート後、ふたたび首位に立ったマクラフランらは1ピットイン分のリードを稼ぐべく猛プッシュ。1周で約2秒ずつリードを広げていった3ストップ組は、最後のピットインを難なく済ませ、そのままチェッカーフラッグを受けた。
マクラフランはポール・トゥ・ウインで、開幕戦での違反によって課せられた失格のリベンジとなる優勝を飾った。2位にはパワーが続き、ペンスキー勢はワン・ツーフィニッシュ。3位には、19番手から大きくポジションアップを果たしたリヌス・ルンドクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)が入り、キャリア初の表彰台を獲得した。
ポイントランキングでは、トップで今週末に臨んでいたディクソンが15位に沈んだことで、8位フィニッシュのハータが逆転。101ポイントとなり、1ポイント差でディクソンを上回ってトップに立っている。
2024年NTTインディカー・シリーズの次戦は、5月10日(土)から11日(日)にかけてインディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースにて開催される第4戦『ソンシオ・グランプリ』だ。