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沼津を「キン肉マン」の聖地に!「キン肉マンミュージアム」明日開館

2024年04月28日 23:30  コミックナタリー

コミックナタリー

キン肉マンたちの立像。
ゆでたまご「キン肉マン」の世界観が楽しめる「キン肉マンミュージアム in 沼津」が明日4月29日にオープンする。そのメディア先行内覧会とオープニングセレモニーが、本日4月28日に行われた。

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■ 「キン肉マン」の常設展示場は全国で初めて
「キン肉マン」初の常設展示場として静岡県沼津市で開業する「キン肉マンミュージアム in 沼津」。「夢の超人タッグ編」で描かれたトーナメント・マウンテンが富士山麓にあったことから、富士山へとつながる街である静岡県沼津市で開業されるに至った。ミュージアムのロゴにも、トーナメント・マウンテンと富士山がモチーフとして取り入れられている。フロア構成は1階と2階の2階層で、総フロア面積は約840㎡、約255坪だ。

■ 制作過程でお蔵入りした未使用原稿も
1階は「キン肉マン」の関連グッズを集めた物販コーナーと、マンガや関連書籍を楽しめるフリースペースから構成されている。グッズコーナーでは「キン肉マンミュージアム」のTシャツやステッカー、「第1回宇宙超人タッグトーナメント」のポスターといった限定商品を含むさまざまなグッズをラインナップ。フードコーナーも設けられており、肉まんとドリンクを注文することができる。このほか2階部分に飾られたフィギュアと連動し、天井を突き抜けて出てきたサンシャインの足や、「マッスル・ドッキング」を体験できる顔出しパネルも設けられている。

2階はキャラクターの立像や複製原画、パネル、グッズなどを展示するエリア。フロアに上がるとまずキン肉マン、テリーマン、ロビンマスク、ウォーズマン、アシュラマンの立像が入場者を迎え入れる。同エリアを抜けると、ゆでたまごの嶋田隆司・中井義則のこれまでのキャリアを紹介するコーナーへ。「キン肉マン」についての年表や垂れ幕に加え、2人の幼い頃からの写真もパネル展示されている。その後これまで「キン肉マン」に登場してきた超人や「キン肉マン」の各エピソードについて壁面のプリントやパネルなどで紹介。複製原画のコーナーには計45枚の原画が執筆された年代を問わず幅広く飾られている。

このほかウォーズマンのフィギュアにキン肉バスターをかけられるコーナーや、超人血盟軍の秘密練習場を再現したスポットなども登場。ゆでたまごの画材や制作過程でお蔵入りした未使用原稿、さらにはこれまでに発売された「キン肉マン」のフィギュアやグッズなどを紹介するエリアも設けられた。なお会場は撮影可能となっているが、一部の展示は撮影不可のためご注意を。

■ 沼津は「キン肉マン」の土地なんじゃないかな
オープニングセレモニーにはゆでたまごの嶋田、「キン肉マンミュージアム in 沼津」の館長を務めるミノワマンZ、ミュージアム制作委員会の大谷諒委員長、賴重秀一沼津市長、渡辺周立憲民主党衆議院議員、勝俣孝明自民党衆議院議員が出席した。まず大谷委員長が、今回の企画が数年前に立ち上がったことを説明しながら「約1年前から本格的に動き出して、明日オープンを迎えます。正直に申しますと期待のほかに不安もございます。ただ、(「キン肉マンミュージアム」も並ぶ)仲見世商店街をこの施設から盛り上げて、その盛り上がりが商店街全体に波及し全体が盛り上がる形にできたらなと思っています」と挨拶。続けて嶋田が登壇し、「僕、ある大学の相撲部の先生に『行ってみませんか?』と言われたのがきっかけで沼津に来てみたんです。で、来てみたら山も海もあってすごくいいところで。なんといっても『キン肉マン』の『夢の超人タッグ編』で描いた富士山麓のトーナメント・マウンテンにも近いっていう。ここは『キン肉マン』の土地なんじゃないかなっていう気持ちになりました」と沼津を訪れた際の思い出を振り返る。「そこから、その相撲部の監督の知り合いの方から、『先生、ミュージアムやってみませんか?』ってお声をいただきまして。その方はラスベガスに行くのが大好きで、ラスベガスでやっている『シルク・ドゥ・ソレイユ』のショーとかを見るのも大好きなんだそうです。僕もラスベガスが大好きで、『キン肉マン』でもそういうものができないかなって意気投合しまして、やってみようっていうことになり今日を迎えたんです」と開業までの経緯を語った。

■ これからは沼津を「キン肉マン」の聖地に
ミュージアムの館長を務めるミノワマンZは現役のプロレスラー。館長就任のオファーが届いたのは今年の初め頃であったことを明かし「迷うことなく、『ええお願いします』と即答でした。『キン肉マン』のすべてが揃った場所です。大人から子供まで皆さん楽しめると思いますので、ぜひ遊びに来てください」とアピールした。ミノワマンZは今後、月4回ほどミュージアムを訪れ、さまざまなイベントに参加する予定だ。

1970年代から80年代に「キン肉マン」のリアルタイム世代だったという賴重市長は、沼津市が2023年に100周年を迎えたことに触れ、「101年目という、新しい100年を目指す大事な時期にこのような素晴らしいミュージアムをオープンできたということは、誠にありがたく思っています」と感謝を述べる。そして「幅広い方々が楽しめるこのような拠点ができたことは、沼津市としては大変光栄であると考えています。沼津は現在『ラブライブ!サンシャイン!!』をはじめとしたアニメの聖地と言われていますが、これからは『キン肉マン』の聖地としても、さまざまな取り組みを積極的に取り組んでいきたいと考えています」と今後の展望についてコメントした。

■ 「キン肉マン」はバットマンやスーパーマン、アイアンマンなどにも負けないコンテンツだと思う
その後行われた嶋田とミノワマンZによるトークセッションでは、「キン肉マンミュージアム」が完成した心境について嶋田は「『キン肉マン』の中でキン肉マンがよく『キン肉マンランドを作りたい』って言っていたんですよね。(僕自身も)そういうものがあればいいなと前々から考えていて。僕は『キン肉マン』はDCコミックスのバットマンやスーパーマン、あるいはマーベルのアイアンマンなどにも負けないコンテンツだと思っています。このミュージアムができて(国内だけでなく)海外の人も喜んでくれると思いますので、(ミュージアムの情報を)これから世界に発信していければ」と意気込む。館長就任の感想を問われたミノワマンZは「先生の描いてたものが、ここにボンとあるっていう感覚がありまして。夢の中にいるような気持ち。“夢の館長”です」と笑顔を見せた。

今年原作が連載開始から45周年を迎える「キン肉マン」。嶋田は連載の中で思い出に残っているシーンを問われ、「テリーマンとザ・魔雲天が戦ったエピソードですかね。連載3年目にして、そのエピソードでアンケートで初めて1位を取ったんですよ。(ジャンプという)日本一の雑誌で1位を取るっていうのはすごく難しいことで、2位とか3位まではいけるんですが1位はなかなか取れない。だからそのシーンは一番印象に残っていますね」と思い起こす。同じく「キン肉マン」の思い出深いシーンについて質問されたミノワマンZは、キン肉バスターとキン肉ドライバーを合体させたマッスルドッキングが披露されたシーンと回答した。

そして嶋田は沼津という土地について「果物も美味しいし、魚も美味しい。今は原稿をデジタルで送れるので、ここに住みたいくらいの気持ちです」と絶賛。そして7月から「キン肉マン」の新作アニメが始まることにも触れ、「(ミュージアムで)アニメも絡めたような企画をしていきたいですね」と抱負を語った。

■ 「キン肉マンミュージアム in 沼津」
時間:10:00~18:00
定休日:水曜日
料金:大人・大学生1000円、シニア900円、高校生・中学生700円、4歳以上500円
住所:静岡県沼津市大手町 5-2-15