独特の粘りで人気の「モロヘイヤ」。北東アフリカ~インドが原産とみられる野菜、茹でてそのまま食べたり、スープに入れたりと食べ方も色々だが、実はタネには強い毒がある。農林水産省も「種は絶対に食べるな」と警告している。
ただ、収穫期のモロヘイヤには毒は含まれておらず、一般的に食品として流通しているものには何の問題もない。
モロヘイヤの種には強心配糖体(強心作用のある成分)が含まれていて、めまいや嘔吐などの中毒を起こしますので、絶対に食べてはいけません。
収穫期の葉には含まれず、野菜としてのモロヘイヤ、モロヘイヤ健康食品、モロヘイヤ茶などからも検出されないことが報告されています。
なお、タネの入っている「実」も食べられない。東京都保健医療局によると「平成8年10月に農家で牛5頭にモロヘイヤの実のついた枝を与えたところ、3頭が死亡する事故が発生し」たという。ちなみに毒の成分は「種子に含まれるストロフェチジン」で、「かつてアフリカで矢毒として用いられた」ものだという。響きがやばすぎる。
タネや実の写真はこちら
そう言われても、モロヘイヤのタネや実なんて見たこともないという方がほとんどだろうと思う。こちらが種の入った実の拡大写真だ。
Meteorquake, CC BY 4.0 , via Wikimedia Commons
どんな風に実が生るかは、こちらの写真で確認できる。
Meteorquake, CC BY 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0, via Wikimedia Commons
収穫したタネは、黒いポツポツした点のようなものに見える。
Muséum de Toulouse, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
繰り返しになるが、収穫期のモロヘイヤには毒が含まれていない(PDF)ので、食品として流通している「モロヘイヤ」は安心して食べられる。注意が必要なのは、家庭菜園の場合、特に蒔こうとして取っておいたタネを子どもが間違って食べるようなケースぐらいだろう。