isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2024年上半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
この世の現実をひっくり返す
今週のおひつじ座は、あえて「資本主義の終わり」を想像していこうとするような星回り。
ミヒャエル・エンデはファンタジー小説の書き手として知られる人物ですが、同時に、長年にわたってお金について追究し続けた思想家でもあり、現代社会の混迷の原因について述べていました。
「経済が友愛で成り立つべき」という主張はユートピア思想にも聞こえますが、分業体制という生産方式がしばしば他人を踏みにじったり、踏みにじられたりといった苦々しいものになっているのは、「所得と職業、報酬と労働が一つになってしまっている」からだという指摘の正鵠(せいこう)さを鑑みると、さまざまな意味で歪んだ現代社会をとらえかえす可能性のあるものという気がしてきます。
あなたも、仕事の収益を自分の当然の権利として要求したり、収益をできる限り私有しようとすることがどれだけ物心の貧しさをもたらすか、また、どうしたら共に働くことでもたらされる癒しが大きくなるかについて、じっくりと考えてみるといいでしょう。
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これぞ我が心の真実なり
今週のおうし座は、自分(たち)なりの「見どころ」を発見していこうとするような星回り。
『行春を近江の人とおしみける』(松尾芭蕉)という句のごとし。この1年前は、ちょうど『おくのほそ道』の旅に出発するときで、「行春や鳥啼(なき)魚の目は涙」と詠んでいます。
命がけのつもりで江戸を出た旅の1年後に、こうしてゆったりと湖水が一面にうち霞んでいる景色を拝むことができている。そのなんてぜいたくなことか、という気持ちがあったのかも知れません。
あなたも、これこそ我が発見した成果物なりと、心ひそかに誇っていくべし。
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野蛮的知性ということ
今週のふたご座は、身近な存在についての見方を改めたり、評価し直していこうとするような星回り。
植物学の第一人者であるステファノ・マンクーゾは、光合成によってエネルギーを補給する植物にとって最も重要な能力である、屈光性(光源の方向に向かって植物が成長していく性質)ないし避陰反応(日陰からの逃走現象)について述べています。
植物の光の受容体は葉っぱだけでなく、茎の若い部分や先端、ひげ、芽、木の枝や幹、根などにもあり、いわば「小さな無数の目で全身を覆われているようなもの」なのだそう。植物がそれほどまで物質(からだ)を適応させて感受しようとしている光を、私たちはふだんどこまで意識的に求めているでしょうか。
あなたも、できるだけ彼ら植物を見習って、「光」を求めることを日々の暮らしの中で意識してみるべし。
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かすかな消息を追って
今週のかに座は、目に見えないゴールの方へと魂を向け直していこうとするような星回り。
『美しきものに火種と蝶の息』(宇佐美魚目)という句のごとし。この世界の片隅で、身をひそめて生きている小さき命への気づきが元にあり、そうと気づいた途端に、火種と蝶とがまるで呼応しあうかのように、地上で星座を結んでいくように感じられてくるはず。
かくのごとく私たち人間もまたありたいものですが、現実の人類はそうした美しさとは対局の在り方を地球上でますます突き進んでいます。
あなたにとって、小さな、しかし決定的な「魂の向けかえ(ペリアゴーゲー)」をはかっていくにはもってこいのタイミングと言えるでしょう。
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超個体の生態
今週のしし座は、コミュニケーションの活発さによって、単なる個体やその集合以上の生を送っていこうとするような星回り。
かなり前から、温暖化など気候変動の影響に対するミチバチたちの反応やその数の減少が注目されてきましたが、このミツバチという生き物は、知れば知るほど不思議な生き物なのです。
生物学者のJ・タオツらは、ミツバチの巣全体を一匹の動物と見る「超個体(スーパーオーガニズム)」という説を提唱し、そこでは超個体を次世代に繋げていく女王バチを“生殖機能”に、大勢の働きバチをその個体を構成する“体細胞”にするものと捉えており、これは規模感を人体に置き換えても同じことが言えるのだそう。
あなたも、ひとつの「超個体」であると同時に、大いなる「超個体」の一部である事の喜びをよく実感していくことができるかも知れません。
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ああ、ちょうどよかった
今週のおとめ座は、外部からの聞こえてきた声に合わせて唱和していこうとするような星回り。
『煙草すふや夜のやはらかき目借時』(森澄雄)という句のごとし。色気もユーモアも煙草も、世知辛い世の中を渡り歩き続ける上で心強い味方になってくれるものだが、それを消費するのは簡単でも、生み出すのには多大なな労力や技量の積み重ねが求められてくる。
おそらく、作者はそのことを肌身で感じているのだろう。それでも、春の夜空に浮かぶ月がそうであるように、できれば自分も「世知辛い」と感じている人間の味方であり続けたいものだと、ひとりごちていたのかも知れない。
あなたも、自分なりの経験に基づいた俳味やユーモアを醸しだしていくことがテーマとなっていくはず。
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人生をざらつかせよ!
今週のてんびん座は、「困惑の悦び」にじっくりと浸っていこうとするような星回り。
「ほんとうに生きている、という感じをもつためには、生の流れはあまりになめらかであるよりはそこに多少の抵抗感が必要であった。したがって、生きるのに努力を要する時間、生きるのが苦しい時間のほうがかえって生存充実感を強めることが少なくない」
ハンセン病患者との出逢いから親の反対を押しきって精神科医となった神谷美恵子は『生きがいについて』の中でそう書いていました。彼女は病いに苦しむ人の傍らでどうしたら人は生きる希望を見出しうるかを洞察し続ける中、何かを求めて苦労する行為こそが生きがいをもたらしてくれるのだと看破したのです。
今週のてんびん座も、神谷がそうであったように、なんとなく引き寄せられてしまう困惑的事態と改めて向かい合っていくことがテーマとなっているのだと言えるでしょう。
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春の夕闇にわれ何を思う?
今週のさそり座は、未来の自分から現在の自分へ見つめ返していこうとするような星回り。
『おぼろ夜のかたまりとしてものおもふ』(加藤楸邨)という句のごとし。
未知の世界を拓こうにも、どうしたってうまくいかず、何かについて考え込んだまま立ち尽くしているようもでもあり、さっさと気分転換をして目先の刺激を追いかける代わりにじっとしつこく同じトーンに留まり続けようとしているようでもあり。きっとそのいずれの経験も、「ものおもふ」ことの要件に含まれてくるのだろう。
あなたも、それくらいの重みをみずからの思念に宿していくべし。
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奇跡などいらない
今週のいて座は、「病める文化の症候」に正しく対処していこうとするような星回り。
今の社会では、少しでも気を楽にしてくれるものなら、自分からすすんで騙されようとする心性が強まっており、それは歴史を鑑みれば俗にカルトと呼ばれる狂信的な集団倒錯が発生しやすい条件に他ならず、そうした状況が巧妙に準備されているように感じられます。
ただ、ここで思い出されるのが、精神医学者で文化人類学者でもあったグレゴリー・ベイトソンの『精神と自然』の中の、父と娘の対話形式で構成されたメタローグです。
あなたも、ベイトソンのいうように現代文明の野卑な物質主義から逃れる道として「奇跡」を求めるのではなく、もっと「深い宗教的要請」(例えば「醜を含めた美」の追求など)に従ってみるといいでしょう。
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自分を浮き上がらせてくれるもの
今週のやぎ座は、想像を超えた縁にすすんで引っ張られていこうとするような星回り。
『春の浜大いなる輪が画いてある』(高浜虚子)という句のごとし。事実だけ抜け出せば、ただそれだけのことではありますが、掲句ではその「輪」を「大いなる」と形容することによって、事実以上の意味を掴みだすことに成功しています。
これがもし「大きな」であれば、単にそのサイズ感を表すだけですが、あえて「大いなる」と詠うことで、りっぱで、雄大で、こちらの想像を超えた何かへと変化させているのです。
あなたも、ただ「大いなる輪が」とうそぶいていくべし。
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目撃者か、参与者か
今週のみずがめ座は、「人間は情報化できる」という現代の神話に対して、自分なりの「否」を叩きつけていこうとするような星回り。
コンピューターやAIに依存せざるを得なくなってしまった現代社会の状況について、思想家の高橋巌と舞踏家の笠井叡は、2人の対談の中で「今の時代ほど、人間が歴史に介入できなくなった時代はない」という風に言い表していました(『戦略としての人智学』)。
例えば、人間の神経細胞の活動をすべて電気信号に変換してコンピューターの中にダウンロードする形で入り込むという研究をとりあげ、そうした自然科学に自分をいかに適用できているかという方向で自分自身を肯定していくこと、「これこそが現代の神話」であると述べた上で、その対極に「個体主義」を置いています。
あなたも、個体主義のやり直しが自分の中にどれくらい生きているか、ということを改めて痛感していくことになるかも知れません。
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宇宙的放散
今週のうお座は、みずからのまとまりのなさをどこまでもおっぴろげていくような星回り。
『たくさんの吾が生まるるしやぼん玉』(津川絵理子)という句のごとし。パッと生まれてきては、みるみる間にすがた形を変えていったかと思うと、あっという間に消えてしまう不思議だったり、環境や相手によって色んな側面が出てくるけれど、どれがほんとでどれがうそという訳でもなく、ただ多面的な存在としてあるという不思議。
そうした不思議さを、咎めたり疑ったり否定したりすることなく全開にしていくことの、得体の知れない気持ちの良さのようなものを、作者はここで感じているのかも知れません。
あなたも、「まとまらない人」としてのうお座らしさを本領を思いきり発揮していくことになりそうです。
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