法改正によって会社内での分煙はもはや当たり前になった。しかし、法律が改正される前は、受動喫煙を防ぐ分煙は「努力義務」だったため、今ほど分煙化は進んでいなかった。そんなたばこが原因で会社を辞めたエピソードが寄せられている。
山口県の50代前半の男性(営業/年収800万円)は2010年代半ば、東京で仕事をしていたが、会社都合で退職し、地元に戻りメーカーに転職。そこが「喫煙者が異常に多い会社でした」といい、当時の状況を振り返った。(文:林加奈)
「6人の社員のうちうち私を除く5名が喫煙者」
男性によると、喫煙者と非喫煙者の内訳は次の通りだった。
「配属された課には、私を含め6人の社員がいました。うち私を除く5名が喫煙者でした。配属先以外の部署でも同じように喫煙者が多く、非喫煙者は20名に一人ぐらいしかいなかったと思います」
男性のような非喫煙者は少数派だったようだ。それでも「職場には喫煙ブースが設置されていたり、会議室や休憩所には『禁煙』の張り紙がされている」など、分煙の試みがされていたというが「あまりにも喫煙者が多く、ルールは全く守られていませんでした」と明かしている。
「会社を辞めた大きな理由の一つでした」
分煙のルールが徹底されていない環境で、男性は健康被害を受けるようになった。
「朝一の打ち合わせが、毎朝20分程度ありましたが、8畳程度の会議室では5人が合計20本を吸っていたこともありました。霧がかかったような白いモヤに包まれた職場で、喉をやられてしまいました。課長に禁煙ルールを守るように申し入れたこともありましたが馬耳東風でした」
8畳の部屋で5人がずっとたばこを吸い続けていたら、相当きつかっただろう。結局、1年半で退職した男性は「会社を辞めた大きな理由の一つでした」と結んだ。
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