予選4番手、決勝も4位で惜しくも表彰台こそ逃したが一時は3番手を走行。長く低迷が続くCERUMOに明るい兆しが見えた一戦となった。昨シーズン限りでドライバーを退いた立川祐路監督の下、新体制で2024年シーズンを迎えたTGR Team KeePer CERUMOのふたりのドライバー、石浦宏明と新加入の大湯都史樹が、4月14日(日)に岡山国際サーキットで開催されたスーパーGT第1戦岡山の決勝レースを振りかえる。
■公式練習でのトラブルからV字回復
Q1とQ2を走った各ドライバーのベストラップを足した“合算タイム”で決勝グリッドを決定する、今季から導入された新しいスタイルの予選にて2列目4番手を確保した38号車KeePer CERUMO GR Supra。ホンダから移籍してきた大湯のアタックでQ1では2番手タイムを記録した38号車だが、直前の公式練習ではパワーステアリング関係のトラブルに見舞われ多くの時間をピットで過ごすこととなっていた。
KeePer CERUMO GR Supraはシーズンオフのテストからトヨタ陣営の中でも後れを取っていた。その要因のひとつには前年チームランキング12位(トヨタ/GR陣営6チーム中5位)に終わったことで優先権が陣営内での2024年型の最新パーツのデリバリー順が遅くなってしまい、最終版のパッケージでの走行時間が少なくなってしまっていたことが背景にある。
18周目に牧野任祐がドライブする100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTをパスして3番手に浮上した大湯は、その勢いで関口雄飛がステアリングを握る39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraの攻略を図った。しかし近づきはすれどオーバーテイクには至らず、ピットインのタイミングを迎え29周目にドライバー交代のためピットロードに進路を向けた。
2021年第6戦オートポリス(2位)以来、ひさびさの表彰台獲得が見えてきた矢先、KeePer CERUMO GR Supraはピット作業で右フロントタイヤの交換に手間取り、同じタイミングでピットインしていた100号車STANLEYに逆転を許してしまう。実質4番手でコースに戻った38号車はその後、石浦のドライブでポジションをキープ。優勝した36号車au TOM’S GR Supraから21秒差の4位でフィニッシュした。
最後に「戦闘力的には大湯も3番手でピット入ってきてますし、すべてが噛み合えば表彰台に行けたと思うので、ちょっと悔しいところもあります。ただ、久しぶりに戦える手応えを感じられて楽しかったです。この先がちょっと楽しみですね」と石浦が語るように、ドライバー両名が自信を掴んだ様子のTGR TEAM KeePer CERUMO陣営。再浮上を期する名門チームがこの結果を足がかりに今季こそ復活を果たせるのか、注目したいところだ。